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(写真=Thinkstock/GettyImages)

◆昨日は、米ISM製造業景況指数の予想比上振れを受けて、米中長期債利回りの上昇と共にドルが全般的に上昇、ドル/円は一時124.92円へ上昇した。

◆本日は豪RBA理事会での利下げの有無が注目され、利下げが行われる場合には十分に織り込まれていないことから豪ドルは対米ドルで直近安値割れを試す展開となりそうだ。

◆ドル/円は、端境期で材料が少ない中で、上昇トレンド追随の動きから125円に乗せるかが注目される。


昨日までの世界:OPTIM-ISMが広がる

ドル/円は、東京時間から欧州時間にかけては概ね124円台前半でやや頭重く推移した後、米4月コアPCEデフレータが前年比+1.2%と前月(+1.3%)および市場予想(+1.4%)を下回り、鈍化基調を示したことから一旦ドルが下落し、123.86円の安値を付けた。同時発表の個人所得は前月比+0.4%と市場予想を上回ったが、個人支出は前月比ゼロ%と市場予想を下回るなど、まちまちの結果だった(ただし個人支出は前月計数が上方修正されている)。

もっとも、その後発表の米5月ISM製造業景況指数が52.8と前月および市場予想を上回り、(昨年8月に付けたピークである58.1には遠いが)冬場の悪化からの回復が示されたことから、米中長期債利回りの上昇と共にドルが全般的に上昇、一時124.92円と125円に迫った。

ユーロ/ドルは、ギリシャ支援問題について週末5月31日中に合意に至らなかったことなどから、1.09ドル後半から1.09ドル割れへ軟化した。NY時間入りにかけては、ドイツ5月HICP(総合インフレ率)前年比が+0.7%と前月の+0.3%、市場予想の+0.6%をも上回る大きな回復を見せたことや、米コアPCEデフレータの予想比下振れを受けて、1.09ドル台後半へ急反発する局面がみられた。

もっとも、その後のISM製造業景況指数の上振れを受けたドル高が大きく、1.09ドル割れへ反落、1.0887ドルの安値をつけた。ユーロ/円は、欧州時間のユーロ売りに押され136円台前半から一時135.14円へ下落したが、その後は主にドル/円の上昇に押し上げられるかたちで、136.59円へ大きく反発、再度5月18日の直近高値(136.96円)に近づいた。

豪ドル/米ドルは、欧州時間までは0.76ドル台半ばで前日から横ばいが続いたが、米ISM製造業景況指数発表後に下落し、一時0.7598ドルまで下げた(直近安値は4月2日の0.7533ドル)。この間、豪金利は低下しており、本日のRBA理事会に向けて利下げを織り込む動きが一部にみられていることが伺われる。

豪ドル/円は、対米ドルで円と豪ドルが同程度に下落したため方向感が出ず、94円台後半で横ばい圏内の推移が続いた。


きょうの高慢な偏見:RBAの利下げはあるか?

ドル/円は、明日の米ADP民間雇用統計や米貿易収支を控えて材料が少ない中で、トレンド追随の動きから125円上抜けを試す展開となりそうだ。

ユーロ/ドルではユーロ圏5月HICP速報が注目されるが、昨日発表のドイツ分が予想を上振れしたことから、ユーロ圏分も上振れリスクがあり、その場合には昨日米ISM製造業景況指数発表後に米国分につれて大きく反発したドイツ10年債利回りの大幅上昇が継続し、ユーロを押し上げる可能性が高まっている。

豪ドル/米ドルはRBA理事会が注目される。現在のところ、市場予想は政策金利2.00%で据え置きだが、豪ドルは鉄鉱石価格の小反発にも拘らず、むしろ豪州の金利低下を主因とした豪米金利差の縮小と共に下落が続き、直近安値(0.7533ドル)に近づいている。

豪雇用統計、貿易収支、民間資本支出計画など、5月入り後の豪州経済指標の悪化を睨み、追加利下げをある程度織り込みつつ下落してきたとみられる。こうした中、利下げが行われる場合でも、十分には織り込まれていないことから豪ドル安に繋がる一方、利下げがなかった場合や、将来的な追加緩和の可能性に言及しない場合には、豪金利反発と共に豪ドルは上昇しそうだ。

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山本雅文(やまもと・まさふみ)
マネックス証券 シニア・ストラテジスト

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