北米では一般的な「ブルーパブ」

この「スプリングバレーブルワリー東京」のように、醸造施設と飲食店を兼ねた業態を「ブルーパブ」という。北米では1990年代以降、クラフトビールの成長とともに急増。醸造が盛んな州では、ビールがメインの飲食店のほとんどがブルーパブと言ってよいほど一般的な業態となっている。その場で造られたものをその場で飲める、地域密着型の店としてローカルの人たちに人気を博しているのだ。

日本でもブルーパブの数は増加の一途を辿っている。首都圏に限った話ではなく、東北や関西、西日本全体にも少しずつ広がり、今後もこの傾向は続くとみられている。


人気を集める理由とは?

人気の理由は、何と言っても「新鮮な一杯が飲める」点だ。ビールという飲み物は実は傷みやすい。完成から時間を置く、移動させる、温度変化にさらす。こういった要因が重なることで、容易に劣化してしまう。その点、ブルーパブはできあがったらすぐに飲めるので、劣化とは縁遠いところが強みだ。

www.kirin.co.jp company news 2015 0318_01.pdf
(写真=プレスリリースより)
食事をしながら、工場見学をしているかのような+αのワクワク感が得られるのも人気の理由。「スプリングバレーブルワリー東京」には、日本初導入の透明なガラスの仕込み設備がある。従来の釜はステンレスや銅製のため中身が見えなかったが、ガラス製にすることで製造の工程をじかに見ることができるのだ。

また、ブルーパブがにぎわいを見せている理由として、造り手とコミュニケーションが取れるという要素も大きい。