トクホカテゴリーは、キリン <2503> 「メッツコーラ」などの新商品の登場で再び火がつき、サントリー <2587> の「伊右衛門 特茶」などもヒット。健康に関心が高い層では、効果効能をはっきりと訴求できるトクホ商品への移行がうかがえる。
また、コンビニで朝ごはんやランチとともに購入されることが多かった野菜飲料だが、そういったサラリーマン層が、代わりにカウンターコーヒーを購入するシーンも増えてきているようだ。
加えて、カップや袋入りで売られている「カット野菜」も脅威となっている。カット野菜は、容器や種類など品揃えが豊富になり、コンビニなどでも手軽に買えることから、今販売が伸びている。特に 30 代以上の女性の間では、スムージーやサラダなど、野菜を生のままで食べることを良しとする風潮もあり、野菜飲料には逆風になっている。
野菜飲料を展開する各社は、この状況を打破し、一刻も早い回復を図ろうと様々な商品開発や施策を打っっている。
起死回生はあるか ?
野菜飲料は、カゴメと伊藤園が 2 強であり、いずれも新たな切り口の商品を投入している。さらに今年は、果汁ブランドが野菜飲料を発売するという動きもある。傾向としては、より健康感のあるものや、スムージーに対抗した食感系商品なども登場し、各社工夫を凝らしている。
ただ市場の回復のためには、新商品投入に加えて、「野菜飲料を摂る理由」をはっきりと明示する必要がある。
消費減の根本的な問題として挙げられるのは、購入者の半数以上がいわゆる浮遊層だという野菜飲料の構造である。 この層は、「なんとなく健康そう」というイメージよりの理由で購入するため、上記のような新しいカテゴリーに移りがちだ。
野菜が健康のために必要不可欠である事実は浸透しているので、この「なんとなく」を補完する、研究成果や野菜自体の機能性をも含めた情報発信に期待したい。 (ZUU online 編集部)