竹中平蔵
(写真=ZUU online 編集部)

2012年末の自民党による政権奪還以来、内閣総理大臣の座についた安倍晋三・自民党総裁が主導して進めたアベノミクス。金融、財政、成長それぞれの戦略を組み合わせて日本経済を成長路線に再び載せることを目指してきており、市場も好感して株価も大幅に増加してきた経緯がある。

このアベノミクスについて、小泉政権下で経済財政政策担当大臣や金融担当大臣、さらには郵政民営化担当大臣を務めた経験を持つ竹中平蔵慶應大学教授が、ULIアジア太平洋サミットで講演し、「理論的には100%正しい」と言及した。経済政策について知見を有する同氏のアベノミクスについてのその講演内容を以下で、改めて紹介する。

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アベノミクスの中心は「3本の矢」

今日は、沢山の方が海外からもお見えです。色々と振り返りますと、1980年代には日本は沢山の貿易黒字を抱えていて、それと非常にユニークなフレークプラクティスを持っていて、そのことは随分と国際的に批判されました。

そのことを「ジャパンバッシング」だという風に言いました。しかし、バブル崩壊後には、日本の経済が少し弱くなる中で次には、日本がパスされる「ジャパンパッシング」だとも言っていました。さらには、実はもっともっと日本の存在感が低くなって「ジャパンナッシング」と言われもしました。

そして今は、アベノミクスの元で日本の経済が復活しています。そこで、再び日本に対して沢山の方が訪れてくれて、そして投資を増やそうかどうか、日本に対する投資をさらに増やそうかどうかという事を検討しているのではないでしょうか。その意味では、今日の私の話が皆さんの投資欲をかきたてて「ジャパンラッシング」になることを是非、期待したいと思います。