パリス・ヒルトン、レディ・ガガ、ケイティ・ペリー。セレブと呼ばれる彼女たちが夢中になっている、日本生まれのキャラクターがいる。サンリオ <8136> のハローキティだ。日本の少女たちが親しんできたキャラクターが、なぜ世界中で愛され、特にセレブたちを魅了しているのか。ハローキティというキャラクターの強みと、サンリオ海外事業の成功の秘密を探る。

世界を魅了したハローキティ

2014年、サンリオのキャラクター、ハローキティは誕生40周年を迎えた。記念の展覧会で学芸員を務めたハワイ大学の人類学者が、「ハローキティは猫ではない。彼女は小さな女の子」とサンリオから指摘を受けたとロサンゼルス・タイムズ紙が報じると、世界中が騒然となった。すぐさま海外メディアやツイッターなどでも取りあげられ、ハローキティに高い関心が寄せられていることを証明した。

サンリオの一キャラクターがなぜここまで世界に受け入れられ注目されているのだろうか。サンリオの海外展開は1976年に始まった。当初は日本と同じビジネスモデルをそのまま海外へ持ち込んでいた。2000年に入って現地向け商品の開発を始め、以来、現地の流通大手と組んで販路を広げてきた。同時にライセンス供与のコラボレーションにも注力。サンリオが展開するライセンス事業は、ライセンスを受けた企業に裁量権を大きく付与している。

そのためオリジナルとは大きく形状の異なるハローキティや、ご当地キティ、また映画「貞子3D」や不二家 <2211> のペコちゃんといった他のキャラクターとのコラボも数多く生まれた。なかでもロックバンド「KISS」とのコラボレーションは記憶に新しい。口がないキティの「舌出し」を許容したサンリオの懐の深さは、世界に驚きと好意を持って受け入れられた。