住宅ローンの借り換えで押さえておきたい3つの条件は、一般的には、以下の3つを満たしていることが借り換え効果の出る目安とされています。
①借り換え前後の金利差が1%以上
②ローン残高1,000万円以上
③残りの返済期間が10年以上
住宅ローンは借りている金額が大きいだけに、たとえわずかでも金利が低くなれば、総返済額には決して軽視できない差が出るように思われます。
にもかかわらず、上記の条件を満たさないとあまり意味がないとされるのはどうしてなのでしょうか?
それは、住宅ローンの借り換えには諸経費が発生するからです。
主なものを以下に挙げましたので、簡単に説明しておきましょう。
事務手数料
借り換えに関する手続きを代行してもらう手数料で、定額の場合や、借入額の数%といった定率の場合など金融機関によって異なります。
契約者貼付印紙税
借り換えの金額によって決まり、1,000万円超5,000万円以下で2万円、5,000万円超1億円以下で6万円となっています。
抵当権抹消・抵当権設定費用
現在融資を受けている金融機関から借り換え先へ抵当権を変更するための費用です。役所に支払う費用に加えて、手続きを代行した司法書士への報酬も負担するケースが一般的です。
保証料
万一、住宅ローンの返済が不可能となった場合に備えて保証会社に支払う費用です。金融機関によって異なりますが、一般的には借入元本が大きく、返済期間が長いほど高額になります。
メガバンクなどでは数十万円程度掛かるところもあるようですが、ネット銀行のように保証料を無料としている金融機関も増えています。この費用負担が最も大きなカギを握っていると言えるでしょう。
繰上返済手数料
借り換え先から融資を受けて現在のローンを一括返済することになり、金融機関によってはそのための手数料が発生します。
こうしたさまざまな費用が必要になることから、冒頭に紹介した3つの条件をクリアすることが目安となってきたわけですが、最近は少々事情が異なってきています。
前述したように、最も高額になりがちだった保証料をゼロにする金融機関も出てきているためです。
しかも、過去と比較して現在の金利水準がかなり低くなっていることも幸いしていると言えるでしょう。
こうしたことから、諸経費をより低く抑えられる金融機関で借り入れることができれば、ローン残高が500万円程度の人や、借り換え前後の金利差が0.3~0.5%程度の人であっても、効果を期待できるケースも出てきているのです。
多くの金融機関は、ホームページ上で借り換えのシミュレーションを行えるサービスを提供しています。
まずはそういったものを利用して大まかに試算して比較してもよいでしょう。 (提供: ファイナンシャルスタンダード株式会社 )
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