今後の見通し

これまで、住宅市場に関する主要な経済指標を確認した。住宅市場は金融危機後に大幅な落ち込みからの回復過程にあり、住宅着工件数の伸びが世帯増加数の伸びに近い水準まで回復するなど、漸くバブルの後処理に一定の目処がたってきたようにみえる。住宅需要は労働市場、住宅価格、住宅ローン金利などにより左右されるが、足元の状況は住宅市場に追い風となっていると考えられる。

さらに、ファニーメイなどにより14年末から15年初に実施された住宅取得を促すための対策も一定程度効果がみられるようだ。米国では15年内の政策金利引上げが見込まれており、住宅ローン金利の上昇を通じた住宅市場への影響が懸念される。

しかしながら、政策金利の引上げは消費マインドなどに影響する可能性はあるものの、FRBは金利上昇ペースが緩やかであることを強調しており、住宅ローン金利の上昇幅が小幅に留まれば住宅市場への影響が限定的とみられる。このため、住宅市場の改善は政策金利の引上げ後も持続することが見込まれる。

(1)ファニーメイではMyCommunityMortgageプログラム、フレディマックでは、HomePossible プログラムと呼ばれている。
(2)FHFA価格指数は、2000年1月の水準を100になるように調整。
(3)無理なく住宅ローンを払える所得水準として、住宅ローン支払額が25%以内となる所得を想定している。

窪谷 浩(くぼたに ひろし)
ニッセイ基礎研究所 経済研究部 主任研究員

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