主要な住宅関連指標の動向
◆人口・世帯数等:世帯数は毎年100万超の増加。一方、持ち家率は低下が顕著
住宅に対する需要は、大きくは人口や世帯数によって決まる。センサス局によれば14年の米国の人口は3億2千万人、世帯数は1億2千万世帯と推計されている(図表2)。
米国では毎年、人口、総世帯数ともに1%程度の増加が持続しており、総世帯数は毎年100万を超える水準で増加している。この結果、米国では毎年新規の住宅需要が100万戸超発生している。
次に、ストックに当たる米国の総住宅数とその内訳をみると、15年1-3月期の総住宅数はおよそ1億3400万戸となっており、そのうち持家がおよそ7千400万戸、賃貸が4千200万戸、空家が1千700万戸である(図表3)。
一方、総住宅数から空家を除いた住宅のうち、持家が占める割合である持家率の推移をみると、持家率は04年4-6月期に69.4%をピークに低下基調が持続しており、15年1-3月期は63.8%に低下している。このことは、賃貸住宅に対する需要が高まっていることを示している。
◆新築住宅着工・許可件数:漸く世帯増加数並みに改善
次に、フローとして住宅着工件数(季節調整済、年率換算)の推移をみると、リーマン・ショック後には一時50万件を割れるなど、世帯増加数の半分程度まで落込む場面もみられたが、14年後半以降は概ね世帯増加数と同水準の100万件超の水準が漸く定着してきた(図表4)。
一方、住宅着工の中身をみると、賃貸需要の増加に伴い、集合住宅件数の増加が顕著である。なお、住宅着工件数は15年初には2ヵ月連続で100万件を割り込んでいるが、これは北東部を中心に悪天候であった影響と考えられる。実際、住宅着工件数の前年同月比の地域別寄与度をみると、15年1月、2月とも北東部のマイナス寄与度が大きくなっている(図表5)。
次に、住宅着工件数の先行指標である住宅着工許可件数(季節調整済、年率換算)をみてみよう。住宅着工許可件数も住宅着工件数と同様に11年以降は増加基調が鮮明となっており、14年以降は100万件超の水準で推移している(図表6)。
さらに、15年5月は127.5万件と07年8月(132.1万件)に次ぐ水準となっており、今後の住宅着工件数の増加には弾みが付くことが予想される。