ドンキホーテの新社長は7年前から外国人集客策を手掛けた人

また、インバウンド効果で「新たな成長期入りの機会を奪取した」とされる、ドンキホーテホールディングス <7532> 、(以下ドンキホーテHD)からは今後とも目を離すべきではないと考える。

創業者の安田隆夫氏が今年2月、「体力・気力とも充実しているいまこそ身を引くことが、ドンキの長期繁栄につながる」と名言を残し、65歳でドンキホーテHD及び全グループの取締役から(6月の株主総会で)身を引くことを明らかにした。

この時に同社株を拾った投資家は「宝」を手にしたと思う。発言の翌日・翌々日こそ大発会の始値に比べ6・5%近く急落(2月6日7750円)したが、4月15日には1万980円(年初来高値)まで買われ調整場面を経て時価は9500円台。

同社に通じたアナリストは、「新たにCEOとなる大原孝治(現COO)はドンキ第1号店時代からの生え抜きで、安田氏の薫陶を得ながら同社の創業来25期に亘る連続増収・営業増益実現のDNAが身に沁み込んでいる人物。DNAの一つに「先見性」があるが、インバウンド対策でもそれを遺憾なく発揮した人物でもある」とする。

ドンキホーテHDは「2008年にインバウンド対策に着手した」(IR部)。その一因は、「大原氏の「過去5年間で訪日外国人数が年率3割強ずつ増えている。これはトレンドとして捉えるべきだ」という安田氏への箴言」とされている。

先見性というDNAは結果として「ドンキ257全店/免税店資格保有」を初めとする、一歩抜きんでたインバウンド対策を可能にしている。

「昨年の訪日外国人の半数がドンキに来店」という事実や、今期中間期時点で「想定を上回るインバウンド効果」による通期上方修正の実現に顕著。3年前に同社株を買い保持していると投下資金はいま、3・3倍強に増えている。この勢いは今後も衰えないとみる。

日本電産