徐々に浸透する自動運転技術

「自動運転技術」と聞くとどのようなシーンを思い浮かべるだろうか?その答えは、運転者不在でエンジンがかかり、自動的に走行を開始する自動車かもしれない。あるいは道路を走っている時に、たとえ、運転手がドライビングシートに座っていても、自動でハンドルがきられて、レーンを変更したり、右左折したりする様子かもしれない。

ただ、実際には自動運転と言っても、さまざまな段階が想定されている。自動運転自動車を実現するさまざまな運転システムが開発されてはきているものの、現在の開発段階ではいずれも、運転支援システムに留まっている。その自動運転技術は一体、いつ実現するのか、テクノロジー分野に詳しいアナリストの見方を中心に紹介する。


自動運転の実現は2030年?

仮に「自動運転技術」を「人間の操作を必要としない走行」だとすれば、はやければ2025年ごろにも自動運転技術は実現する可能性があり、一部の有識者の見方となっている。同見解を明らかにしたのは、テクノロジー分野の市場調査を行うIHSテクノロジーのアナリストらで、自動運転技術の開発動向を占う上で一つの参考になりそうだ。

同社のアナリストらによれば、最初は渋滞や高速道路の走行など限定的な状況での自動運転技術の開発が続くという。走行レーンの保持や自動駐車など運転支援システムとしては徐々に実装されつつあり、こうした限定された状況下での自動運転の技術開発が2025年まで続くとみられている。

併せて、同社アナリストらは、2025年ごろにはメルセデスベンツが、「運転者ありでの自動運転車」を少量ながら展開していくとの予測を披露。続いて「5年後には大量の展開を開始していくだろう」と

「2030年ごろには、運転者の同乗を必要とはするものの、自動車自身が走行をコントロールできるようになるのではないか」という。さらに、「2035年には、運転者の同乗を必要とししない自律運転を可能も可能になるのではないか」と同社のアナリストらは解説する。


自動運転技術の実装は段階的に進展

しかし、自動運転技術の実現に向けて、技術的な課題はまだまだ多い。現状では、各社はそれぞれ、こうしたハードルを一つ一つ超えるべく開発を進めている段階だと言えそうだ。例えば、公道での試験走行を行ったり、運転支援システムとして部分的な導入を進めているところだ。

例えば、独メルセデスベンツは、自動運転自動車の公道での試験走行を実施している。同社では、運転者が運転席に座ってはいるものの、自動車自身がさまざまなセンサーシステムなどを活用して、周囲の状況を判断し、走行する様子を公表している。まだ、試験走行の状態にとどまっているとはいえ今後、さらに自動化も進展するとみられている。

自動運転技術の自動車への実装には、自動車産業の外側からの注目も集まっている。中でも、自動車のIT化も進んでいることから、IT大手も自動車分野への取り組みを強化中。例えば、グーグルやアップルが自動車向け基本ソフトの開発を進めており、注目を集めている様子だ。(ZUU online 編集部)

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