cutie201509

宝島社の月刊ファッション誌『CUTiE(キューティ)』の最終号となる9月号が8月11日発売された。最近ではファッション誌の休刊が相次いでおり、5月にはメンズヘア&ファッション誌の『CHOKiCHOKi(チョキチョキ)』(内外出版社)が休刊している。これまでファッション誌に広告を出すことでブランディングし、売上獲得につなげていたブランドは今、どうやってメディアを使い、ブランディングをしているのだろうか。


歯止めかからない雑誌の休刊

2015年1月の出版科学研究所の発表によると、2014年の出版物推定販売金額は前年比4.5%減の1兆6,065億円。1950年の統計開始以来最大の落ち込みとなった。中でも前年比5.0%減になる雑誌の苦戦が目立つ。月刊誌は4.0%減、週刊誌は8.9%減となり、2014年の休刊雑誌は176冊にのぼった。

ファッション誌が今続々と休刊している原因は、発行部数の減少による広告出稿・収入の激減、それによる収益の悪化とされているが、逆に広告が入らないから発行部数が減ったという見方もできる。

ある出版関係者は、「ファッション誌は広告収入で成り立っているため、発行部数が減ると購読者が減って影響力が低下したと見なされ、広告の出稿数=収入が減る。収益の悪化から雑誌の内容や付録などの品質が落ち、購買者が減って発行部数が減る。今のファッション誌は、このような悪循環のスパイラルに陥っているのが現状だ」と指摘する。

さらに「『CanCam(キャンキャン)』をはじめとする赤文字系雑誌や、休刊に追い込まれた『egg(エッグ)』などのギャル系雑誌のように、単にそのファッション誌の提唱するファッションが廃れてきたということもある」としたうえで、「一番大きな原因は、スマートフォンの普及によって紙媒体が廃れてきたことだ」と話す。


販売につながるキュレーション・まとめサイト

たしかに、スマートフォンのサイトやアプリには、雑誌を超える情報量があり、無料で使え、すぐに検索したりECサイトで購入したりでき、消費者にはメリットが多い。

ファッションに関する情報源は以前は雑誌だったが、ブロガーが提供するブログに変わり、今ではツイッター、Facebook(フェイスブック)、インスタグラムなどのSNSに変わってきている。インスタグラマーと呼ばれる、インスタグラムを駆使してコーディネーションやライフスタイルを発信するモデルたちは、テレビに出演するタレントよりも人気を集めているし、最近では、ファッションに関するまとめ、キュレーションサイトも人気を博している。

2014年10月、女性向けファッションのまとめサイト「MERY(メリー)」を運営するperoliと、住まいに特化したまとめサイト「iemo(イエモ)」を手がけるiemoの2社がDeNA <2432> に買収された。買収額は合計約50億円だ。2015年には、ロケットベンチャーが運営する女子向けキュレーションサービス「4meee!(フォーミー!)』やママ向けキュレーションサービス「4yuuu!(フォーユー!)」を、ソーシャルショッピングサイト「BUYMA(バイマ)」を運営するエニグモ <3665> が6億円で買収している。

MERYや4meee!、4yuuu!はECサイトと、iemoは不動産業界とタッグを組み、販売へダイレクトにつなげている。キュレーションメディアとEコマースをつなげることで、利用者は最新の情報を得られ、自分の嗜好にあった商品と出合える。その場は企業にとっては、商品を販売できる場所にほかならない。

EC業界関係者は、「アパレル企業のブランディングは、以前はファッション雑誌が主だった。広告を出せばリアル店舗やECサイトでの売上を確保できた。人気雑誌の掲載商品は売れたことから、『雑誌に掲載された商品を手軽に買える』というコンセプトのECサイト『マガシーク(MAGASEEK)』もブレークし、わずか数年のうちに上場を果たすまでに成長した」と説明する。

しかし、ファッション雑誌の発行部数が大幅に減少し、休刊する雑誌が相次いでいることもあり、「マガシークも数年前にサイトコンセプトを変え、雑誌連動型のビジネスモデルから既に脱却している」と付け加える。

Webの広告媒体を雑誌と比較すると、広告料金や製作費用は格段に安い。キュレーションメディアは、低い広告収入で収益を出すためにクラウドソーシングなどの外注で安く大量に記事を仕入れ、製作にかかる費用を抑えているからだ。紙、印刷、運搬などに限らず人件費も高い雑誌が勝てるはずもない。

ファッション雑誌が次々と休刊している今、アパレル企業のメディア戦略が紙からWebにシフトしているのは明らかだ。ブランドが、集客力のあるキュレーションメディア、まとめサイトに着目するのも当然の流れだろう。しかし、こうしたサイトやアプリも既に林立しており、今後は淘汰が進んでいくはずだ。(ZUU online 編集部)

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