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(写真=PIXTA)

環境省がこの時期毎週提供している「暑さ指数と熱中症救急搬送者数との関係」によると、2015年7月27日~8月2日週の全国6都市(東京都、大阪市、名古屋市、新潟市、広島市、福岡市)の最高暑さ指数(WBGT)の平均は連日30℃を超え、今夏最も暑い週だった。全国で熱中症による救急搬送者は11862人(死亡25人)であり、やはり今夏最多だった。

いまや熱中症対策なくして夏を無事に過ごせなくなっている。熱中症対策は、離れて暮らす1人暮らしの高齢者の家族がいる方は必読である。


熱中症による試写は年々増加

国際疾病分類が変更となった1995年以降の統計では、熱中症による死亡者は年々増加している。理由は温暖化による高温傾向だけでなく、高齢化も挙げられる。熱中症による死亡者のうち、男性52%、女性85%が65歳以上の高齢者なのだ。

熱中症患者や死亡者が減らないのは、単に温暖化だけが原因ではなく、環境変化に対して適切に対応していない人が多いためだ。

私たちの身体は、高温環境下におかれると、汗を大量にかき、血液を皮膚に分布させることで体表面から熱を放散させ体温を下げるように調節する。しかし、長時間高温にさらされたり、高温環境下で作業や運動を続けりした場合、血液分布の変化や、汗で大量に水分や電解質を失われることに対する適切な対応ができず、脳への血流が滞って失神したり、筋肉がけいれんを起こしたりする。これが熱中症の症状であり、この状態が続いて体温が上昇し続けると危険だ。


夜でもエアコンを切らない、喉が乾いてなくても水を飲む

体温上昇とそれに伴う血流の変化、水分・電解質の喪失。猛暑続きの夏にはこれらが急激に起きやすく、時には本人も気がつかないうちに生じるため、予防対策が欠かせない。

熱中症予防の第1は、天気予報などで熱中症に関する情報に敏感になること。第2は高温下に長くいないことだ。高温下での運動や作業(炎天下の移動も含む)はなるべく避け、必要な場合は頻繁に休憩することである。第3は、水分と電解質(糖分も適宜)を定期的に補充することである。

高齢者の熱中症は、自宅で夜間に発症することが多い。夜でもエアコン(クーラー)を使用し、室温が常に30度を上回らないようにすることだ。特に1人暮らしの高齢者は、昔の習慣が身についていて、夜にはエアコンの電源をを切る人が多い。家族が電話で「今夜は暑いからアコンをつけて寝てね」と伝えればいい。

また気づかないうちに水分が失われて脱水が進行すること(隠れ脱水)もあるので、喉の渇きを感じなくとも定期的に水分をとることだ。特に高齢者には、トイレが近くなるからという理由で水気を避けたがる人がいるが、周囲が「熱中症になる」と説得し、水分をとらせることが重要である。

熱中症対策は、「今の夏は昔とは違う」という外部環境の変化に対する意識づけの問題だ。1人暮らしの高齢者や認識の甘い人(時にクラブ活動などの熱血指導者に多い)に対しては、周囲が認識させる必要がある。熱中症は周囲の気遣いによって効果的な予防対策を効果的に行なうことができる。(ZUU online 編集部)

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