チャンス到来!?反発期待の好業績銘柄を探る

表1は「日本株投資戦略」による、決算発表シーズン(2015/7/21~8/14)では、株価がそれほど上昇しなかった(または下落した)ものの、8月後半以降に市場で再評価され、株価が上昇するとの期待が大きいと考えられる銘柄を並べたものです。

分析の対象としたのは東証一部の主力銘柄(時価総額1千億円以上、3月決算、金融を除く)です。主力企業で最も決算発表を早く実施した安川電機の決算発表日(7/21)を四半期決算発表シーズンのスタートとし、その発表が一巡する8/14をシーズンの終わりとしました。ただし、分析の都合上8/11をデータ基準日としています。

(1)7/17(決算発表シーズン開始直前営業日)~8/11の株価上昇率が10%未満。
(2)2015年度第1四半期の営業利益(本業のもうけ)が黒字で、前年同期比10%以上の増益。
(3)来期の予想営業増益率(2社以上のコンセンサス)が5%以上。
(4)仮に、第2~第4四半期の営業利益が前年同期比±0%に減速するとの保守的な条件を置き、通期の営業利益を想定した場合でも、会社計画を10%超上回る営業利益が計算できること。

これら全ての条件を満たす企業を「見直し買いが期待される主力銘柄」と考えました。(4)で想定された営業利益が表1における「通期想定営業利益」で、その数字が会社計画営業利益を何%上回っているかを「会社計画比」として示し、その数字が大きい順に並べています。

この分析のポイントは、(4)です。この数字が大きい程、通期の営業利益が会社計画を上回る可能性が大きいことを示しています。表2として、下に示したように例えばSANKYOの場合、2015年度第1四半期の営業利益は5,771百万円(※前年同期比30,274%増)と大幅増益でした。

この時、同社の2015年度・第2~4四半期営業利益は前年同期並み13,214百万円にとどまるという保守的な前提条件を置いた場合でも、2016/3通期の営業利益は18,985百万円(=5,771+13,214)と計算され、会社予想営業利益14,000百万円を35.6%も上回る計算です。

もちろん、各業界のクセや、外部環境の急変等も考慮する必要があり、実際に想定された営業利益が確保できるとは限りません。しかし、この数字が大きい程、現状では、通期計画達成に向けた余裕度は大きいと考えられ、上方修正の可能性は高まると考えられます。

なお、(3)として来期の予想営業増益率を入れた理由は、アナリストが現時点で成長イメージを持っているかどうかを確認するためです。例え、今期の業績が上振れを期待できても、そこがピークとなり、来期に増益を期待できないようでは、高い評価を期待することは難しいと考えられるためです。

※前年同期の営業利益が19百万円と非常に低水準であったため、増益率が大きく見えています。

表1:見直し買いが期待される主力銘柄

表2:表1の例~SANKYOの場合