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(写真=PIXTA)


実質成長率:2015年度1.1%、2016年度1.8%を予想

◆2015年4-6月期の実質GDPは前期比年率▲1.6%と3四半期ぶりのマイナス成長となった。海外経済減速の影響から輸出が前期比▲4.4%と大きく落ち込み、外需寄与度が前期比▲0.3%のマイナスとなったことに加え、民間消費が前期比▲0.8%の大幅減少となったことなどから国内需要も3四半期ぶりに減少した。

◆7-9月期は民間消費、設備投資が増加に転じることなどからプラス成長に復帰すると予想するが、輸出、消費を中心に下振れリスクがある。

◆実質GDP成長率は2015年度が1.1%、2016年度が1.8%と予想する。2015年度は2014年度のマイナス成長(▲0.9%)の後としては低成長にとどまるが、2016年度は消費税率引き上げ前の駆け込み需要による押し上げもあり高めの成長となるだろう。

◆消費者物価上昇率(生鮮食品を除く総合)は2015年7-9月期にいったんマイナスとなるが、原油価格下落の影響が弱まる2015年度末までには再びプラスとなる可能性が高い。年度ベースでは2015年度が0.1%、2016年度が1.3%と予想する。

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2015年4-6月期は年率▲1.6%と3四半期ぶりのマイナス成長2015年1-3月期は前期比年率3.9%へ上方修正

2015年4-6月期の実質GDP(1次速報値)は、前期比▲0.4%(前期比年率▲1.6%)と3四半期ぶりのマイナス成長となった。海外経済減速の影響から輸出が前期比▲4.4%と大幅に減少し、外需寄与度が前期比▲0.3%(年率▲1.1%)と成長率を大きく押し下げた。

住宅投資(前期比1.9%)、公的固定資本形成(前期比2.6%)は高めの伸びとなったが、民間消費が前期比▲0.8%の大幅減少となったほか、設備投資も同▲0.1%と小幅ながら減少したため、国内需要も3四半期ぶりに減少した。実質GDP成長率への寄与度(前期比)は、国内需要が▲0.1%(うち民需▲0.3%、公需0.2%)、外需が▲0.3%であった。

2015年4-6月期のマイナス成長は1-3月期の高成長(前期比年率4.5%)の後ということもあるが、そもそも1-3月期の高成長は消費税率引き上げ以降の経済活動の水準が低かったことによるもので、4-6月期の弱さは反動だけでは片づけられない。景気は輸出、消費を中心に実勢として停滞色を強めている。