(写真=PIXTA)
消費税や市民税、県民税など、日々生活する中では実にさまざまな税金がかかっている。可能なら税金は軽くしたいもの。「減税」や「節税」というワードに注目が集まるのもその心情からだろう。
今回紹介する「住宅ローン減税」も言わばひとつの節税対策となるものだ。利用するにはクリアすべきいろいろな条件があるが、そこを乗り越えて適用されれば非常に有効なものともなる。条件に当てはまるのであれば、住宅ローン減税は活用することをおすすめしたい。
住宅ローン減税とはどのようなものか
まず、住宅ローン減税とはどのようなものなのか。聞き慣れない人でも「住宅ローン控除」という言葉なら聞いたことがあるのではないだろうか。住宅ローン減税も住宅ローン控除も呼び方が違うだけで内容は同じだ。
住宅ローン減税とは、年末の住宅ローンの残高における1%が、その年の所得税から控除される制度である。しかも、それが10年間続くのである。
一般的なサラリーマンの場合、所得税は給与から源泉徴収される。そのため、確定申告によってすでに納めた税金の中からお金が返ってくるという仕組みをとる。確定申告というと面倒に感じる人も多いだろうが、無料相談などを利用すれば誰でも簡単に申告することができる。節税のためと思って、きちんと申告しておこう。
住宅ローン減税にも上限がある
住宅ローン減税と聞いて「まとまった金額が返ってくる」と、やや期待しすぎてしまう方もいるかもしれない。実際、ある程度の金額は返ってくるが、上限ある。それに適用される年の税制にも大きく関係してくるものなのだ。
住宅ローン減税の対象になるのは年末におけるローン残高だが、ここに上限が設けられている。住宅ローンを利用して購入した住居に住み始めた年の税制が適用されるため、「いつ家を買ったのか」というところが大きなポイントになってくる。
減税される最大金額は家を購入した時期によって異なってくるのだが、戻ってくるお金に関してはその年の納税額が上限となる。仮に納めた所得税が住宅ローン減税の金額よりも少なかった場合には、減税しきれなかった分を翌年の住民税から減税するという措置もある。ただし、これにも上限はあるので、その点は理解しておこう。
住宅ローン減税を利用するための条件
住宅ローン減税の制度を利用するためにはいくつかの条件を満たす必要がある。新築住宅や中古住宅、リフォームなど条件によっても異なってくるが、ここでは一般的な条件について紹介していこう。
まず、自分が実際に居住する家であるということ。減税を受ける本人が居住するということが条件となるため、賃貸用に所有する物件や別荘などは住宅ローン減税の対象にはならない。
次に、返済期間について。借入金の返済期間が10年以上であるということも条件に含まれる。そもそも「10年間減税を受けることができる制度」であるため、当たり前と言えば当たり前である。
そして、年収についても条件がある。年収は3,000万円以下である必要がある。仮に年収が3,000万円を超えてしまう年があると、その年には住宅ローン減税を受けることができなくなる。
他にも中古住宅の場合耐震性能を有していること、リフォームの場合は工事費が100万円以上であることが条件となる。この他にも詳細な条件があるため、事前に確認することは忘れないでおこう。
住宅ローン減税の申請方法は?
では、住宅ローン減税の申請方法について述べていこう。申請方法といっても、入居した年の年収について確定申告をする際に税務署に申請することになるため、さほど難しく考える必要はない。
申請にあたっては、登記事項証明書など必要書類の提出が求められる。一般的なサラリーマンの場合は、税務署への提出は最初の1回のみとなり、2年目以降は勤め先にローンの残高証明書を提出することで、年末調整によって控除を受けることができる。
お金がかかる住宅ローンだからこそ
住宅の購入というのは、莫大なお金がかかるものである。だからこそまとまったお金を住宅ローンで借り入れすることになるものだ。長期の返済になることがわかっているローンだからこそ、やはり長い目で見ていかなければならない。
今は問題なくても、将来もしかしたら返済が苦しくなるということもあるかもしれない。そういう事態に備えて、こういった住宅ローン減税の制度は活用していくべきなのだ。もちろん、条件が設定されているので、自分がその条件を満たしているのかというところからしっかりとチェックしていこう。その結果利用できるのであれば、あなたにとって大きな助けとなる制度なのだ。
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