④日銀の政策や物価の情報に注目

ここまでは、日銀の黒田総裁が言う「2年で2%のインフレに持っていく」ということを前提に話を進めてきましたが、これは必ずしも達成されるとは限りませんし、常識的に考えると達成される可能性は低いと考えられます。したがって、今後は、これまで以上に物価に関する情報にアンテナを張っておくことが必要で、日銀の政策委員会の議事要旨や、総務省が発表する消費者物価指数、内閣府が試算するGDPデフレーター等に注目し、物価の上昇スピードや上昇率に敏感になっておくことが大切です。

これからの資産運用を考える上で大切なことは、経済情勢に応じた柔軟な投資意思決定を行うということです。従来はデフレが常態化していたことで、預貯金で資産運用していれば問題はありませんでしたが、今後はそうもいきません。けれども、だからといって2年後にはインフレ率が2%になっていると決め込んで資産運用をするのも危険です。また、例え黒田氏の言う通りになったとしても、教育資金や住宅購入費用等については、流動性の高い金融商品で運用しておかなければいけないのは当然です。今後は、自分が許容できるリスクを把握し、インフレ対策に投じる資金の範囲を決定し、それを行動に移すタイミングを判断するということが、これまで以上に求められるでしょう。

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