投資家に人気の「株主優待」銘柄で、割安な銘柄を探る

株主優待は、企業が株主に対し、様々な商品やサービスを提供してくれる制度です。最近はテレビや雑誌などでも盛んに紹介されているので、多くの投資家に馴染み深い制度となりました。うまく活用することによって、値上がり益や配当だけを得ることに比べ、株主ライフをより豊かなものにしてくれる制度と考えられます。

株主優待の権利が確定する月別にその実施企業数を調べると、3月683社、9月370社、12月127社、2月126社(2015/8/27現在)と続いています。本決算を3月に締める企業が多く、その中間決算に相当する9月も多くなっています。今回は、9月末に権利確定となる銘柄の一部をご紹介したいと思います。

「9月優待」銘柄について、投資家は主にどんな銘柄に関心を持っているのでしょうか。当社WEBサイトでは、株主優待の権利確定月ごとに実施企業を一覧でき、それを「閲覧回数順」で並び替えることができます。8/27現在では、ミサワホーム <1722> 、山加電業 <1789> 、ヤマダ電機 <9831> という順番で上位を形成しています。

表3の銘柄は、以下の条件でスクリーニングし、全条件を満たした銘柄を当社閲覧回数順で並べたものです。

(1)9月末に株主優待権利が確定する銘柄のうち、当社Webサイトで閲覧回数の多い50銘柄が母集団。
(2)最低売買金額が20万円未満。
(3)予想配当利回り(年間)が2%以上。(中間配当があるとは限りません)
(4)今期経常増益見通し(会社予想)。
(5)予想PERが市場平均14.75倍(8/27現在)未満。
(6)年初来高値から10%超株価が下落。

表3:株価面で割安感が強い「9月優待」銘柄

株主優待を実施する企業の多くは、会社の知名度や商品の内容をより多くの投資家に知ってもらうことを目的にしていますので、大型株よりも中小型銘柄が主体になりやすいという特徴があります。また、優待の内容としては自社商品を割引で購入できる優待券や、クオカードを中心とする金券が中心的存在になっています。

金券は、原則的に何を買うのに使っても良いため、投資家にとっては利便性が高い優待と言えますが、反面、会社の商品やサービスの内容を知ってもらうには、必ずしも適しているとは言い切れない面があります。

なお、用途が限られ、投資家によってはメリットのないケースがあるものの、使い方によっては、実質的な利益が相当高い株主優待もあります。その代表例はミサワホームで、「工業化住宅の建物本体価格1~3%割引」は、住宅建設のニーズがある投資家にとってはメリットが大きいと考えられます。

またオリックスでは「レンタカー利用料30%割引」「ホテル宿泊料割引」「有料老人ホーム入居時費用割引」など、フルに活用すれば、相当のメリットを享受できる優待もあります。表3に示した銘柄は、まさに「一例」であり、関心のある投資家は当社Webページ等で、研究することをお勧めします。