Bクラス エレクトリック・ドライブ
(写真=Daimler) テスラと提携して開発したBクラス エレクトリック・ドライブ

メルセデス・ベンツがテスラ「モデルS」と対等に張り合える航続距離311マイル(約500km)の電気自動車を開発中だ。メルセデスの開発チーフ、トーマス・ウェバー氏が、ドイツのオートモーター・アンド・スポーツ紙に語った。


アウディもフランクフルトにSUV型EV車出展

「"最高速度400-500kmの非常に魅力的な電気自動車"というコンセプトでもう完成間際です」とウェバー氏。このコンセプトは今後メルセデスで開発される他のモデルにも採用できるはずとウェバー氏は満足気にこたえている。

メルセデスやアウディなどのドイツ大手自動車メーカーにとって、カリフォルニアをはじめとする重要なマーケットで成功できるか否かは、テスラを越える電気自動車の開発にかかっているようだ。

例えばアウディは今月開催されるフランクフルトモーターショーで、2018年発売予定のSUV型電気自動車「eトロン・クワトロ」を出展する。BMWは開発中のi5にトヨタのミライと同じ燃料電池システムを採用するのではないかと噂されている。これらの新型自動車は全てテスラ モデルXのライバルになると予想されており、今後の電気自動車をめぐる競争は激しくなりそうだ。

メルセデスが電気自動車の開発に本腰を入れたのは今回が初めてではない。過去にもリチウムイオンバッテリー搭載のAクラス E-CELL(電気自動車)やBクラスF-CELL(燃料電池車)などを開発している。


ダイムラーはテスラと提携

メルセデスの親会社、ダイムラーが最近までテスラと提携関係にあったのは周知の事実だ。

テスラ ロードスターの成功を目の当たりにするまでは、他の自動車メーカーはノートパソコン用のリチウムイオン電池を採用するというテスラのアイデアを嘲笑していた。しかしダイムラーはテスラとパートナーシップを結んだ。2009年には9.1%の株を所有し、テスラの協力のもと、航続距離200km、EV仕様のメルセデス「Bクラス エレクトリック・ドライブ」を開発に成功した。その後、両社のパートナーシップは暗礁に乗り上げ、ダイムラーは2014年に一部を売却することになる。


プラグインハイブリッド車が自動車マーケットの未来?

政府の圧力もあって、ダイムラーは昨年の予算(64億ドル)の半分を、低排出テクノロジーの開発にあてていた。将来成功するのは電池自動車でも燃料自動車でもなく、Sクラスや Cクラスのようなプラグインハイブリッド車だと豪語、「2017年までには最低10タイプのプラグインハイブリッド車を開発する」と意気込んでいる。

トランスミッション不要、シンプルなモーター搭載といった単純な構造の電気自動車は、業界の壁を越え始めている。英フィナンシャル・タイムズ紙のインタビューに応じたソニーの平井一夫社長は、「自動車メーカーと提携する可能性はあるか?」という質問に、「将来的に何かを達成出来ると判断すれば、十分に有り得ますね」とオープンな姿勢を明確にしている。(ZUU online 編集部)

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