米利上げ,FOMC,日銀金融政策決定会合
(写真=Thinkstock/Getty Images)

9月に入り、ただでさえ高いボラティリティー(変動)の続いていた市場が、さらに乱高下する恐れがある。金融・商品市場の関係者が、ひと時たりとも気を抜けない1週間に突入した。

日銀の金融政策決定会合(14-15日)と米連邦準備制度理事会(FRB)の連邦公開市場委員会(FOMC、16-17日)のビッグイベントが続き、さらに日本では5連休を前に投資家の大規模な手仕舞い取引が行われる可能性があるからだ。

以下では、これらイベントで予想される結果と、それが日本の株式市場にどのようなインパクトをもたらすか順を追って考えてみよう。


日銀の追加金融緩和はありえるのか?

日銀では2日間の金融政策決定会合のあと、本日15日に黒田東彦総裁が記者会見を行う。注目点は、最近浮上してきた「緊急追加緩和」が行われるかどうかだが、結論から言えば、その可能性はかなり低いと言えそうだ。

日本経済の足取りはここへ来て目に見えて鈍っている。直近7月分の主要経済指標を振り返ると、鉱工業生産が2ヶ月ぶりのマイナスとなり、実質消費支出は戻りが鈍かった。機械受注も2カ月連続の減少で市場予想を下回った。内閣府は、基調判断を前月までの「持ち直している」から「持ち直しの動きに足踏みがみられる」に引き下げた。日銀が2%の数値目標を掲げる物価上昇率は前年比ゼロだった。

こうみると追加緩和があっても全くおかしくない状況だが、それにはあまりにもタイミングが悪すぎる。米利上げの有無が焦点のFOMCが直後に控えているためだ。この利上げが見送られたり、利上げしても今後のペースが極めて緩やかになることが明らかになれば、円高ドル安が進行する可能性が高い。そうすると日銀の「英断」が水泡に帰す危険がある。

このため、日銀にとっては残り少ないカードを拙速に切るよりも、追加緩和の可能性を強調する「口先介入」の方が望ましい。この場合、日本の株式市場には中立から若干のプラス要因になるだろう。あえて追加緩和を想定するならば、日本株には好材料といえそうだ。ETF(上場投資信託)の買い増しに加えて、貸出増加支援オペの大幅拡充が予想されることから金融、不動産セクターがとくに注目である。


FRBのシナリオは?

より不透明なのはFOMCの決定だ。利上げタイミングについては9月実施の観測が高まったとはいえ、10月以降を予想するエコノミストは多い。米国のマクロ指標に強弱が入り交じっているほか、足元の市場が不安定なため、ここは一旦先送りし、10月前半に発表される9月の雇用統計やその他指標を踏まえて決断するというシナリオだ。

ただ、新興国では米利上げ観測による自国市場の混乱が続いていることから、「どうせなら早く利上げしろ」と言わんばかりのコメントを発する中央銀行も複数ある。

FRBがこの中庸をとって、通常の幅0.25%でなく0.125%の利上げを行うというシナリオもあり得なくはない。利上げを行ったうえで、そのペースがかなり穏やかになるとの強いメッセージを市場に送ることができるからだ。そうすれば米国の株式市場が大きく下押すこともなく、為替市場でも若干の円安要因になると思われる。ただ、利上げしても、それが当面の材料出尽くしで円が買い戻されるリスクがあることは心に留めておく必要があるだろう。


FOMCが日本の株式市場へ与える影響

FOMCの決定が日本の株式市場に与える影響を整理しておこう。利上げ見送りなら円安基調のサポートを失い日本株にはマイナス、利上げがあればプラスだが為替の揺り戻しリスクに注意したい。

5連休を前にした手仕舞い取引で相場がどう振れるかは、日銀とFRBの決定に大きく依存するため非常に不透明だ。これらの決定が市場を落ち着かせる方向に働けば、慌てて手仕舞う必要性は薄れる。万が一、日銀が追加緩和を決め、同時に米利上げが行われると一波乱ありそうだ。また、東証の空売り比率がこのところ再び上昇していることから、大きな売りが出ても空売りの買い戻しで下げが緩和される可能性もある。

最後に、ブラックスワン(起こりそうもないリスク)が舞い降りる可能性を指摘しておきたい。参院における安保関連法案の採決だ。これが18日にも強行されるとなれば大きな政治的、社会的混乱につながる可能性もゼロではない。

連休以降に安倍政権の支持率が大きく低下し、政局に発展してアベノミクスが頓挫するリスクもある。万が一ということも想定しておくべきだろう。 (ZUU online 編集部)

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