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(写真=各社HPより)

モバイル広告の大人気で、2大デジタルキングは「利益」という椅子に腰かけている。

フェイスブックのマーク・ザッカーバーグCEOが、モバイルスマートフォンやタブレットからサイトにアクセスする何百万人という「友達」の為に、モバイルサイトをより使いやすく改善し、サイト広告に力を入れると宣言してから数年。前四半期の月間平均ユーザーデータで見る限り、ようやくザッカーバーグ氏はその約束を果たしたようだ。

グーグルも最近までは、特にモバイルに力を入れていたわけではない。グーグル否定派は、「モバイル利用者が増加した影響で広告単価が下がっている」という問題を、グーグルが打破出来るかという点を最大のチャレンジだと見なしているようだ。

しかし、グーグルは前四半期、ユーザーのオンライン利用に合わせたアップデートを展開し、それが効果をあげていることを立証した。最近のデータが正確だったとすれば、モバイルフレンドリー化するには最適な時期だったと言えるだろう。


お膳立て中

フェイスブックとグーグルがデジタル広告のリーダーであることは、ほぼ疑問の余地がない。前四半期のセールスで40.4億ドルという新記録を出したフェイスブックだが、そのうち収益基盤といえる59%を広告から得ているという自体が初めて起った。Stellarに関するQ2の実績は、モバイル関連ということで、更に予想を上回るものだった。

フェイスブック前四半期の広告収益38億ドルのうち、76%はモバイル利用によるもので、昨年の62%から更に伸びを見せているという事になる。過去に比類を見ないフェイスブックのMAU成長率を一目見れば、「何故、収益の大半がモバイルユーザーから得られているのか?」という疑問の答えが分かるだろう。

フェイスブックの15億ドル弱というMAUを見てみると、地球の人口の約半分がモバイルサービスを利用しているということになる。そして、フェイスブックを利用している月間14.9億のユーザーのうち、13億人以上がモバイルからアクセスしている。

グーグルの新しいモバイルサービスについては、ルース・ポラットCFOが前四半期に、上手い具合に要約してくれている。

「我が社の好調なQ2の実績は、当社の幅広い製品にわたる、継続的な成長を反映しています。とりわけ、YouTubeやアルゴリズム広告、そしてモバイル利用の伸びが目立ちました」

グーグルがわずか数カ月前に発表したところによると、利益が得やすいアメリカや日本を含む10カ国で、モバイル検索が初めてデスクトップ検索を超えたそうだ。モバイルフレンドリーアップデートには、利用者との関連性が高い広告の表示や、範囲測定ツールなどが、特徴として加えられている。

フェイスブック同様、グーグルも利用者と広告の関連性を探知し、「関連性がブランドロイヤルティーに勝る」するように改善されている。要するに、モバイルであろうとなかろうと、商品がターゲットにしている客層に抜群のタイミングで広告を提供し、購入につなげようという狙いだ。

マーケティングパートナーの為に、膨大なユーザデータの収集、照合、利用することは、グーグルにとってはお手のものだ。


どれぐらいがビッグなのか?

eMarketerは2015年、デスクトップよりもモバイル向けの広告が、未だかつてない程増加するだろうと予想している。消費者の「モバイルでは会話をしなくても良い(非音声)」という便利さへの需要が高まっている為、今年のマーケティング広告費の51.9% は、モバイルスポットに使われるという。

また、成人が通話以外の用途で、モバイルを利用する1日の平均時間は3時間。そのうちの半分は、スマートフォンからチャット以外の用途で利用されている。

本年度におけるデジタルモバイル広告費の見積もりは304.5億ドルというから、巨額のインセンティブを受け取っているフェイスブックやグーグルにとっては、カモに葱の状況だ。両社にとってはさらに嬉しいことに、わずか4年以内には、現在の広告費が2倍(650億ドル)に膨れ上がると期待されている。

実際のところ、数年以内には、デジタルスポッツ(モバイル、デスクトップ共に)がTV広告を上回ると予測できるが、その大半はモバイルユーザー向けのものとなるだろう。

既にモバイル広告主になるには良い時期が訪れているが、将来的には更に良くなるだろう。他の企業にもよくあるように、フェイスブック、グーグル共に株価の値下がりが見られるが、これはあくまで一時的な事だ。「移動中でもモバイルを利用したい」という需要側の要望に応える為に、フェイスブックとグーグルが注いだ努力を考えると、両社の目標株価が現在の株価を上回っているのは、当然のことだといえるだろう。

ティム・ブルガー (提供: The Motley Fool

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