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(写真=The Motley Fool)


ドイツ銀行、中国トップの検索エンジン・バイドゥのターゲット株価を引き下げ

バイドゥ(百度)<NASDAQ:BIDU> も、なんでも思い通りに手に入れることはできないということだろう。9月8日(火)、中国随一のインターネット検索プロバイダー、バイドゥが世界イベントを開催し、最新戦略を発表したが、少なくとも1つのウォール街を代表する企業が、発表内容に懸念を覚えてその場を去っていた。

ドイツ銀行のアナリストたちは、テクノロジー界の大企業バイドゥが、実店舗への誘導を目的としたオンライン販促、オンライン・ツー・オフライン(O2O)事業に注力しすぎた結果、利益を目減りさせていることを危惧し、同社の短期利益予測とターゲット株価を引き下げようとしている。ターゲット株価は206ドルから170ドルに引き下げの見込み。8日の終値と比べ15%ほど買いやすくなる計算だが、投資家の中には中国の急成長株のひとつであるバイドゥ株を買い込むリスクを負うには不十分な動きとみる向きもある。

バイドゥは8日、いくつか魅力的な発表をした。中でもメディアをにぎわせたのは、双方向型デジタル・アシスタントDuerの発売で、これによって同社はSiri、Cortana、Google Nowと同じリングに身を投じることになる。それと同時にオンライン・マーケティング・プラットフォームから、クラウドを基盤とするヘルスケア・サービス・マネジャーまで、あらゆる分野の新規事業戦略も明らかにした。

コンピューター・ビジョン、顔認識、声認識の各機能を駆使して視覚障害者をアシストする、スマートなウェアラブル音声認識装置DuLightもお披露目された。加えて、デジタルスナップ写真の顔の部分を友人や有名人と取り換えられるiOSアプリFaceItも発表した。そう、iPhoneやiPadユーザーともうまくやっていきたいのだ。

バイドゥは多くの優れた商品を市場に投入し、デビューを待つ魅力的な商品もたくさん持っている。長い目で見ればこれらはやがて利益を生むだろう。

しかし、ドイツ銀行のアナリスト、アラン・ヘラウェルとヴィヴィアン・ハオが懸念を抱くのは、これらの戦略にかかるコストが将来の利益にどんな影響を及ぼすかという点だ。現時点のドイツ銀行の予想では、バイドゥの来年度における利益の伸び率は21%(前回予想の29%よりダウン)、2017年については30%(同44%よりダウン)だ。

バイドゥが昨年末に252ドル弱の最高値を記録して以来、中国株式市場は全体的な不振を続けている。それでもバイドゥは、利益率の高い検索エンジン事業でのもうけを、オンライン動画や共同購入、アプリストアなど低利益のニッチ事業に投入して大企業としての地位を守るなどの措置はとっていない。O2Oへのさらなる資金投入を至上命令としているために採算性を犠牲にしており、アナリストたちは同社の利益ターゲット予想を下げ続けている。

だがこうした戦略が失敗に終わるとは限らない。利益の伸びが持ち直すかもしれないし、何よりもこれらの戦略が期待以上のスピードでうまく動き出せば、バイドゥ株盛り返しのきっかけが生まれる違いない。

今が、かつてのドットコム寵児企業にとって非常に難しい時代だという主張もあるだろう。パソコンからモバイル端末へのシフトがマネタイズ化を阻み、新規事業に手を広げたために目先の純利益が思わしくない結果を示していることも事実だ。

しかし、バイドゥはたくさんの卵をたくさんのカゴに分けて入れることでリスク分散を図っている。O2Oのカゴ1つにすべての卵を入れているわけではないのだから、今日バイドゥが資金をつぎこんだ事業のどれかが、明日大成功したとしても不思議ではない。

リック・ムナリッツ(提供: The Motley Fool

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