自社株買い,スズキ
(写真=Thinkstock/Getty Images)

スズキ <7269> は9月16日、独フォルクスワーゲンと資本業務提携を解消するのに伴い、フォルクスワーゲンが保有する1億1161万株(発行済み株式の20%)を買い戻すと発表、自社株買い枠を設け、17日に立会外取引を使い、1億1978万株を4602億円で取得したと発表した。企業が自社株買いを行う意味と、株価に与える影響について考えていく。


自社株買いの意味とは?

自社株買いとは、株式市場から過去に発行した株式を自己資金で直接買い戻すことで、株主への利益還元やストックオプション等に利用するために行うのが一般的だ。

スズキの場合は、フォルクスワーゲンとの資本業務提携を解消するためのもので、やや趣が異なるが、最近発表されたマレーシアの格安航空会社エアアジアの自社株買いでは、足元の業績悪化や不正会計問題で下落している株価を内部資金と銀行融資で支えている。このように、リーマンショック後などの株価暴落時は多くの企業で自社株買いが行われたのだ。


自社株買いの効果は?

自社株買いを行うことで、企業が株価対策を行っているということは分かっていただけたと思うが、どのような効果をもたらすのだろうか。その効果は大きく分けて2つある。

まず、ひとつ目は、企業が自社株買いを発表および実行することで、市場の需給を改善させる効果がある。株価暴落時など、買い手が不在の局面で自社株買いにより株価を支えることは、既存株主への株価対策アピールとなるだけでなく、自社株買いによる上昇期待から、買い手の増加が期待できるのだ。

ただ、今回のスズキの場合のように、市場へインパクトを与えたくないケースもある。実際、株価の乱高下を避けるため、立会外取引で行い、かつ16日終値の1株3842円50銭で買い付けを行っている。

もうひとつは、自社株を買い入れて消却することで、一株当たりの資産価値や自己資本利益率を向上させる効果だ。つまり、会社の利益は変わらなかったとしても、トータルの株式数が減少していることで、1株当たりの利益が上昇し、1株の価値も上昇するということだ。実際、スズキ株を保有している米投資会社サード・ポイントが、取得した全株の消却をスズキに求めていることからも、効果的なことが分かるだろう。


スズキ以外の自社株買いを発表している企業は?

スズキの自社株買いは、目的がフォルクスワーゲンとの資本業務提携解消だったため、17日の立会外取引で終了してしまったが、一定期間の取得期間と取得株式総数などを設けて行うケースが多いため、最後に最近の事例をいくつか挙げておこうと思う。(取得上限を理由に早期終了しているケースもあるため、その点はご容赦いただきたい)

BUYMAなどで有名なエニグモ <3665> は、取得期間2016年2月28日までで自己保有株を除く発行済み株式総数の2.35%にあたる50万株、取得総額5億円を上限とする自社株買い実施を発表している。また、ベビー用品などで有名なユニ・チャーム <8113> も8日に、取得期間11月30日までで自己保有株を除く発行済み株式総数の1.00%にあたる600万株、取得総額130億円を上限とする自社株買いを発表している。

これら以外にも、株主への利益還元などを目的に自社株買い実施の発表を行っている企業は多くあるため、是非、今後の投資の参考にしていただければと思う。(ZUU online 編集部)

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