イエレンFRB議長
(写真=HPより)

米マサチューセッツ大学アマースト校で「金融政策とインフレ」に関する講演を行ったジャネット・イエレンFRB議長が24日、スピーチを終えた直後に医療チームの手当てを受けたと、英テレグラフ紙が報じた。

報道によると、異変は講演の終盤に差しかかった頃に起きた。イエレンFRB議長は急に言葉を切ったり咳込むなど、いかにも体調が悪そうな様子だったが、唐突に「ここで終了させて下さい」と書類を掻き集め、微笑みを作りながら壇上からおりた。

FRBは声明で、「イエレンFRB議長は長時間にわたるスピーチと強い照明が原因で、単に脱水症状に陥っていただけです」と発表。「念の為にその場に呼ばれた救急救命士から処置を施されましたが、すぐに回復してその晩のスケジュールもこなしたぐらいです」と一過性の体調不良だと強調。またマサチューセッツ大学の管理局長を始めとする関係者も、イエレンFRB議長の回復に太鼓判を押している。


イエレン議長「2016年に向けて、好景気に突入」

この講演中、イエレンFRB議長は23ページにもおよぶ長いレポートを読み上げた。レポートの内容は、年内に利上げが実施される予定である事と、国際成長の弱化が利上げ計画に影響する可能性は低いという見解について語られていた。

「米経済はおおむね安定方向に向かっていると思われます」と述べるなど、月間21万の新規雇用の創出など景気上昇を裏付けるデーターをモニターに映し出し、「来年度に向け、この調子で好景気に突入するはずです」と自信たっぷりに付け加えた。

しかし英紙の中には、過去の実例を例に挙げて「Fedの決断がいつも成果をあげるとは限らない。日本経済と同じ運命をたどるのではないか」という懸念を示したところも。「経済危機以降、価格安定と雇用の最大化を同時に達成できなくなっている。インフレ警戒は価格に直接反映され、結果的には様々な影響を引き起こす。また長期的なインフレ警戒の引き金となりかねない」というのだ。

イエレンFRB議長は中国を始めとする海外経済の低迷を視野に入れつつ、年内の利上げの姿勢は崩さない構えだ。(ZUU online 編集部)

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