物件探し
(写真=PIXTA)

ITの利用が進む社会にあって利用がはかられてこなかった不動産分野で、IT利用が進みつつある。物件探しがラクなるスマートフォンアプリをはじめ様々なサービスが誕生し、利用が加速している。仲介手数料無料は珍しくなくなったが、最近では物件の見学が有料というサービスが生まれているという。


アプリで部屋探しする人が増加、店舗一度も訪れず決めるが1割超

2014度に賃貸物件を契約した人を対象にしたリクルートすまいカンパニーの調査(複数回答)で、「PCで部屋探しをした」と答えた人は首都圏で49.2%、関西圏では44.6%と最多だった。だが前年より減っており、それに代わって増えているのがスマホアプリ。首都圏では2位の29.9%となった。ちなみに関西圏では、2位が「不動産会社へ直接訪問する」で、スマホアプリは3位(28.7%)。

既に不動産会社を一度も訪問せずに物件を決めている利用者が1割を超えるようになっており、契約にネットが重要な役割を果たしている。


大手不動産サイトを横断検索できるアプリが大人気

リクルートの調査結果を裏付けるように、niftyが開発した不動産アプリがスマホのアプリマーケットで人気となっている。人気の理由は、SUUMOやHOME'S(ホームズ)、athome(アットホーム)、CHINTAIなど大手不動産サイトの賃貸マンション、賃貸アパートなどの賃貸物件情報をまとめて比較検索できることだ。

ワンタップでお気に入りに保存し、しかもそのお気に入り度を5段階で分けて管理できるので、たくさん保存してもすぐに探せるところがウケている。さらに「駅徒歩5分以内」「宅配BOXあり」など細かく検索条件が指定できる。

個別の不動産サイトに訪れるよりもまずこちらのアプリで比較するほうがラクに探せそうだ。


物件見学予約のサービス料を徴収するサービスも

ITを利用した不動産業イタンジでは、顧客から月額利用料800円を徴収する代わりに、利用者が負担する仲介手数料を完全に無料とするNomadというサービスのビジネスを本格化させようとしている。

希望の部屋を登録するとNomadのスタッフが部屋を提案してくれ、気に入ったものがあればオンライン上で契約できる。iPhoneアプリが用意されている。利用者からポイント制度で日常的な利用料、見学予約などにサービス料を徴収しているところが新しいサービスで、その代わりに仲介手数料は無料だ。


リブセンスが未来型不動産サービスをローンチ

2010年から成功報酬型の不動産賃貸情報サイト「door賃貸」を運営しているリブセンス。古不動産流通市場の可視化・活性化につながる物件情報の整備・公開や、新たな不動産仲介サービスを視野に入れて、今年8月に新たなサービス「IESHIL」を始めた。

IESHILでは不動産物件価格のリアルタイム査定(特許出願中)や、物件に関する利便性・治安・地盤情報など8項目のデータ公開、中古不動産物件の売買仲介サービス提供といった大きく3つのサービス提供を予定している。

特に注目される不動産物件価格のリアルタイム査定は、約3000万件にのぼる売買・賃貸履歴などのビッグデータを活用し、各物件の価格推移を明示するとともに、市場価値をリアルタイム査定することで、売買判断に必要な情報を見られるという。現状は東京23区内のマンションのみが対象だ。

不動産の分野でのIT利用着々と進んでいることが分かる。特にスマホでのサービスはこの分野に限らず今後は必須といえるだけに、スマホ向けの不動産サービスはますます増えるだろう。 (ZUU online 編集部)

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