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(写真=ZUU online編集部)

感情認識ソフトやデジタル金庫サービスなども開発

実際に顧客対応など営業につながるサービスも既に動かしている。たとえば、コールセンタースタッフの金融知力をクイズやゲームなどで向上させる「WPSフィナンシャル・リテラシー」を開発している。

また顧客対応ではソーシャルメディアの活用を推進。LinkedInを使うことで、支店担当者が個人アカウントから、顧客に直接連絡することで、コミュニケーションを効果的なものにしているという。「顧客の状況やつぶやきを見て、タイムリーに、役に立つ情報が、担当者から来る。ライフイベントに合った対応ができつつある」と自負する。

デジタル金庫の「Fidsafe」なるサービスは、保有する金融資産の状況などを書類としてクラウド上に保存できるものだ。自宅に保管していても、盗難や焼失のリスクがあるた。「オンライン上に残しておきたい」というニーズにこたえたサービスだ。利用者の同意があればFPも見ることができるため、資産の現況を把握しながら相談にのったり、適切なアドバイスをしたりできるという。

MITメディアラボと共同で開発している「感情認識」のソフトウェアは、カメラを通じて話し相手の眉や口の動き、表情で、怒りや動揺といった精神状態が分かるもの。「コールセンター、カスタマーサービスの精度を高めることができます」と説明する。

ピッケルフォート氏はまた、フィデリティ・ラボとしてはビットコイン、特にブロックチェーンへの関心が強いことを指摘。人工知能やFinTech(フィンテック)への取り組み、投資が急速に高まりつつある現場に触れ、“パーソナル・コンピューティングの父”と呼ばれるアラン・ケイの「未来を予測する最善の方法は、自らそれを創りだすことである」という言葉を引用して、フィデリティとしての役割の重要性を指摘。先端技術を金融サービスに活用することの意義と社会に対するインパクトの大きさを強調していた。 (ZUU online 編集部)