チャック・ピッケルフォート氏
(写真=ZUU online編集部)

確定拠出年金(DC)が生まれた米国でトップシェアを誇るフィデリティ・インベストメンツは、「FCAT」(Fidelity Center for Applied Technology、通称フィデリティ・ラボ)なる組織で、DC加入者を中心に、主に投資初心者層に向けて、投資や金融を身近に感じてもらうべく、さまざまな先端技術を研究し、新たなITサービスの開発に取り組んでいる。

このほど来日したフィデリティ・ラボのセンター・フォー・ゲーミフィケーションでバイス・プレジデント、アーキテクチャーを務めるチャック・ピッケルフォート氏は、その所属組織名からも分かるように、「ゲーミフィケーション」の専門家だ。

確定拠出年金とゲーミフィケーションはにわかにつながらないが、なぜフィデリティがそうした取り組みに注力しているのか。ピッケルフォート氏に話を聴いた。


非上場会社だからこその長期視点での取り組み

「一人ひとりに異なる状況があるため、『自ら考えてほしい』というのが、ゲーミフィケーションのアプローチを取り入れる企業のニーズ」——。

講演でこう語ったピッケルフォート氏が所属するフィデリティ・ラボは、フィデリティという世界規模で大きな組織にあって、ごく小さなグループだ。ベンチャーキャピタルやスタートアップ、アカデミックと連携して、ビジネス、DC加入者、リテール向けに、各種サービスの研究開発からプロトタイプ作成まで行っている。テクノロジーが社会や顧客のニーズ、課題解決にどう活かせるかを考え、実行する存在であり、「カタリスト(触媒)」としての役割を果たそうとしているという。

DC加入者の獲得といった営業的な側面ではなく、むしろすぐには顧客獲得につながらないであろう、新たな技術・サービスの開発に理解し、注力している。

このことについてピッケルフォート氏は、「フィデリティは非上場会社ということもあって(短期の株価の上下に左右されることなく)ビジネスプランがロングタームで出せること、経営トップのテクノロジーに対する理解が深く、この分野への投資は今に始まった話ではなく、過去に相当な額を投じ、いろんなプロジェクトを手がけてきました」と説明する。