中国保険市場
(写真=PIXTA)

「生命保険市場の基礎データ(2014年版)」は、中国の生命保険市場について、直近5年間の基礎的なデータを中心にまとめたものです。中国において、生命保険事業に関するデータの公表は限定的ではありますが、本レポートが中国の生命保険事業の現況に関する理解の一助となれば幸いです。

出典は、主に、監督官庁である中国保険監督管理委員会、中国人民銀行が公表している内容等となっております。また、公表データの制約から、一部のデータは生損保合計値のみのものとなっております。


生保収入保険料の推移

2014年の中国の生命保険(医療保険、傷害保険を含む)の収入保険料は、前年比18.4%増の1兆3031億元(日本円では約26兆円規模)であった。

直近5年間の収入保険料の動向は、銀行窓販の規制、会計基準の改訂の影響を受けた2011年を底に、再び増加傾向に転じている。2014年の生保収入保険料は2010年の前年比28.7%増に次ぐ増加率で、収入保険料の規模はこれまでで最大となった。

中国保険市場 図1


商品構成の推移〔収入保険料別〕

2014年の収入保険料別の商品構成は、有配当保険が51.3%と最も多くを占めた。次いで、無配当保険が33.9%、医療保険が11.2%を占めた。2014年は、有配当保険の構成割合が前年より24.4ポイント減少する一方、無配当保険の構成比が前年より22.8ポイント増加した。無配当保険については、予定利率の上限緩和による販売の伸びが影響していると考えられる。

また、医療保険も増加しているが、2014年5月に、年間2400元を上限とした所得控除の導入が発表されており、国としても医療保険への加入インセンティブを高めている。

中国保険市場 図2