(写真=PIXTA)
今年は有名お笑い芸人が芥川賞を受賞したり、複数の日本人がノーベル賞を受賞したりと、権威ある賞のニュースが話題になった。そこで気になるのは「いったい賞金はいくらぐらいもらえるのか」という点である。そして「その賞金にいくら税金がかかるのか」ということだ。そもそも「ご褒美」の賞金に税金はかかるのだろうか。
ノーベル賞は非課税、芥川賞は課税
早速調べてみると「ノーベル賞の賞金には税金はかからない」が「芥川賞の賞金には税金がかかる」というのが答え。ちなみにノーベル賞の賞金は年によっても異なるが2015年は800万スウェーデンクローナ(日本円で1億1500万円)で、芥川賞の賞金は100万円だそうだ。
まず、ノーベル賞だが、ノーベル基金からノーベル賞として交付される金品については、所得税法第9条で非課税所得に規定されている。だだ、ノーベル賞の中でも経済学賞は、スウェーデンの中央銀行の働きかけで1968年に新設されたもので、賞金はノーベル基金からではなく同行が運営する基金から支払われることになる。そのため、厳密には非課税対象である「ノーベル基金から」の賞金ではなく、経済学賞の賞金は規定を厳密に解釈すると課税対象となってしまう。
しかし、これまで日本人で経済学賞受賞者がいないため、経済学賞の課税・非課税にまつわる議論は起こっていない。仮に受賞が決まると「経済学賞だけなぜ税金がかかるの?」という国民感情に配慮して、何らかの対応が取られるのではないかとの見解もあるようだ。
所得税法第9条に規定されている非課税所得にはノーベル賞のほかに、オリンピックで日本人選手がメダルを獲得した際にメダルの色により支給される報奨金、文化功労者に対する年金、日本学士院から恩賜賞または日本学士院賞として交付される金品、日本芸術院から恩賜賞または日本芸術院賞として交付される金品、などが挙げられる。
また、所得税法以外の法律で所得税を課さないと規定しているものもある。例えば、宝くじの当選金については、当せん金付証票法により所得税を課さない規定が設けられている。