年末(12月末)を控え、配当取り妙味も大きい主力株

上場企業の決算期としては3月が最多で、東証一部では全体の75.5%を占めていますが、12月決算企業はそれに次いで多く、社数ベースでの構成比は8.3%となっています。従って、12月末付で配当や株主優待の権利が確定する銘柄も少なくないため、物色対象となる可能性は小さくないようです。

ちなみに、海外の企業については12月決算が主流です。このため、我が国で12月決算を採用している企業は、海外に子会社を持つなど、グローバルな大手企業を数多く含んでいます。表5は、時価総額1千億円以上の東証一部上場企業のうち、12月決算の銘柄について、予想配当利回りの高い順に列挙したものです。

表2はこうした12月決算企業の中から、予想配当利回りや業績、知名度等を加味して2銘柄を抽出したものです。キヤノン、ブリヂストンともに、今期増益見込み予想PERも低く、予想配当利回りも高めであることがわかります。

表3の公益株と共通する要因としては、銘柄抽出の際に知名度を意識したことです。郵政3社の上場を契機に、株式市場に新しい投資家が参加してきた可能性があるので、そうした投資家が「郵政の次」に銘柄選別の基準にしやすいのは、業績や配当、知名度であると考えられるからです。

キヤノン <7751> の予想配当利回りが4.0%というのはサプライズです。業績見通しがかんばしくなかったことで、株価が下げてきたことが利回り上昇の一因でした。ただ、2015年7~9月だけみれば、前年同期比で増益に転じていますので、業績は実態面で改善の兆しを見せている可能性があります。

そして予想配当利回りの高い企業として何社か「ゴム」関連企業が挙がっていますが、ブリヂストンが知名度、増益率をトータルでみた場合、上位と考えられるでしょう。

日本株投資戦略5

なお、表3として公益企業を取り上げていますが、上記したように、郵政3社の上場で注目されると考えたことが背景にあります。日本電信電話 <9432> など、業績面を評価すれば、それだけでも十分評価対象になると言えましょう。

なお、公益企業については、「 深堀り!注目セクター 」(11/13掲載)で、別途解説を試みていますので、ご関心のある方はぜひ、一度読んでみてはいかがでしょうか。

※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。

鈴木英之
SBI証券 投資調査部

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