【シンガポールとマレーシアの英語について】

話が脇へそれてしまいましたが、英語について触れてみましょう。まずは、シンガポールの英語はシングリッシュ(シンガポール+イングリッシュから来る造語で発音が独特)だから、という多少バカにした言い方を日本人から特に聞くことが多いですが、基本的に普通の日本人よりも英語の理解力が低いシンガポール人はいません。欧米から帰ってきた直後だと確かに聞きづらいと思えるケースはありますが、基本的に我々が言ってることについて彼らが理解できない時はほぼ100%こちらの問題でしょう。

一方で、これがマレーシアになると、話が少し変わってきます。前首相であるマハティール氏が推し進めた母国語(マレー)推進政策により若者の英語能力が低下しているという話を聞きますし、私自身も経験したことがあります。


【アジア人富裕層とビジネス出来る英語力をどのようにして身につけるか?】

ここで英語についてどう学習すればいいということについて細かく触れようとは思いませんが、一般的な傾向としてTOEICの点数を一生懸命950点とか取っている人に、それ程会話が上手だとか文章が上手だという人は多くないような感じがします。
実際に英語を使って何がしたいかという目的を持っている人の方が間違いなく上達は早いです。私の場合はMLB,NFL,MBA等といったスポーツの情報を取り続けるために常に英語は聞いていたいですし、仕事柄CNBCやBloombergといった金融専門の放送を(日本のその手の専門チャネルよりも格段に情報ソースとして価値があり、エンターテイメントとしても面白い)常に流していますし、何よりも普段のコミュニケーションとして必要だという観点で英語を捉えています。もう一つ見逃せないのが良質な英語のインプットです。ただ聞き流すだけとか、ただ会話をたくさんすればいい英語ができるというのはとんでもない大嘘だと思ってもいます。

その点からすると毎日最低一紙でも質の高い英字新聞を読むことから始めるのがオススメです。ネイティブが書いた多岐に渡る話題を、コメンタリーに至るまで自分で頭を使い理解しながら辞書もひきつつ読み進めることが継続できればこれはかなりの価値があると思います。私は毎朝日経新聞以外に3紙の英字新聞(シンガポールのビジネスタイムズ、FT、WSJ)に加えてエコノミストやフォーリンアフェアーズといった雑誌を必ず読むようにしています。優良なコンテンツを正しく洗練された英語で継続して読むことができればこれ以上のトレーニングはないでしょう。この際に大事なのは頭を使いながら読むということで、同じように英語を聞く時にも自分が理解しているかを考えながら能動的に耳を傾けなければダメでしょう。だから好きな内容だったり仕事で必要なものをコンテンツとして扱うべきだと思います。