教育
(写真=PIXTA)

子どもを持つ親なら必ず頭を悩ませる教育資金の問題。子どもの将来のためにできるだけ早い段階から準備を始め、まとまったお金を確実に用意しておきたいもの。一般的に、教育資金を貯めるというと「学資保険」を思い浮かべる人が多く、「どこの学資保険がいいのか?」という話になりがちだ。

しかし、教育資金は「学資保険」と決め打ちするのには警笛を鳴らしたい。教育資金の貯め方には他にも様々な方法がある。「生命保険」「定期預金」、そして最近話題の「教育資金贈与」。どれを活用するのが最も理想的な教育資金の貯め方なのだろうか。それぞれの特徴やメリット、デメリットについて触れながら、特にオススメしたい教育資金の貯め方について一緒に確認していこう。


教育にかかる費用はいくら?

まず、教育にかかる費用はどのくらいなのかを確認してみよう。文部科学省「2012年度子どもの学習費調査」などによると、例えば幼稚園から大学まで全て公立に通った場合でも約1000万円かかる。幼稚園と大学のみ私立だったとしても約1270万円。大学が理系なら約1400万円だ。幼稚園から大学まで全て私立に通った場合は、2500万円近くかかることもある。詳しくは記載しないが、これに「習い事」の費用も含めたら、準備しておく教育資金はもう少しかかるということだ。

もちろん、これは子ども1人にかかる費用。子どもが2人、3人といる場合、どのようなケースを辿るかにもよるが、おおよそ2倍、3倍の教育費がかかることになる。子どもにかけてあげられる費用に不公平が生じないよう、まずはしっかりと教育費の総額を予測し、把握することが大切だ。


学資保険の加入は本当に必要?

次に、最もポピュラーな教育資金の貯め方である「学資保険」について考えていこう。学資保険とはその名前の通り、将来の教育費に備えるための積み立て型の保険。「子どもが生まれたら学資保険!」と言われるくらい市民権を得ているが、本当に学資保険は教育資金の貯め方として最適なのだろうか。学資保険のメリット・デメリットを比較してみよう。

まずメリットとして挙げられるのは、貯蓄性に優れており強制的に積み立てができるという点だ。毎月決まった金額が自動的に引き落とされるため、他に出費があっても教育費分の貯蓄を切り崩してしまうという心配はない。学資保険特有の機能として、万が一、契約者である親が死亡した場合はその後の保険料が免除となり、満期金も予定通り受け取ることができる点もメリットと言えるだろう。

一方、デメリットは、元本割れする可能性があるという点(医療保険特約といった保障が付いている場合など)だ。仮に保険会社が破たんした場合にペイオフ(保険会社が破綻した場合の、保険加入者への保険金の直接支払いのこと)が適用されないため、元本を下回る場合もある。いざという時の保障は大きいとは言い難い。

メリットとデメリットを総合して考えると、教育資金の準備には必ずしも学資保険が適しているとも限らないことがわかる。