米投資銀行ゴールドマン・サックスは2016年の経済を予想するレポートを発表し、経済は強化されるが、株式市場には容易に反映されない可能性があるとの見方を示した。 利上げ直前と噂される米国に対し、追加緩和政策の姿勢を崩さない欧州と日本。まった く異なるアプローチをとってはいるが、発展国-特に米国の景気は2016年にかけて概ね拡大傾向にあり、「利上げ実施後は労働市場の改善と堅調な内需に後押しされ、予想を上回る速度でドルが強化されるだろう」とゴールドマンのアナリスト達は予測している。


「バーナンキ・プット」から「イエレン・コール」への移行

一方、多額の負債を抱える新興国については「今後も要注意」と警告。経済危機以来、国債の対GDP比が100%も上昇した中国を筆頭に、「経済市場に負債はつきもの」というレベルを超過した各新興国の負債額は、軒並み過去最悪の記録をだしている。

レポートによると、米国の2016年のS&P500指数目標は2100。リスク回避策として緩和体勢に徹したバーナンキ前議長とはまったく逆の発想、「イエレン・コール」が今後米経済では前面に打ち出されるという。

経済成長がここ数年伸び悩んでいるにも関わらず、投資が増加傾向にあるリスク資産は、相場が上昇する際には緩和度が後退する可能性があるため、ゴールドマンは米株価の上昇は一時的なものだという見方を示している。

一方欧州や日本ではさらに緩和が進むため、リスク資産へのテクニカルなサポートが米国よりも必要になってくると予想されている。しかし欧州や日本のGDPは米国よりも低迷しているがゆえに、思わぬ上昇が見られる可能性も示唆している。


利上げ幅は0.5%以下 原油価格、消費者物価ともに上昇

シカゴのフェデラルファンド(FF)金利先物市場のトレーダーの間では、2016年の米利上げ率は最高0.5%という見方が強く、ゴールドマンは今回の利上げが来年末までに10年国債利回りを3%上昇させると見込んでいる。

また消費者物価上昇率は1.8%、原油価格は2016年末までに1バレル52ドル(約6384円)に値上がりするという予想だ。

市場の流動性に関しては、「動きが減少している」という一般論には正確性が欠けており、「新規制がマーケットメークのコストを押し上げたのは確かだが、テクノロジーの導入によってよりバランスのとれた流動性が確立されるようになった」と分析している。(ZUU online 編集部)

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