ネット証券株比較ーー最大手SBI、手数料競争から距離置く松井……

好況期に投資を行い、不況期には投資を引き上げるという基本スタンスをとった上で、どのネット証券に投資を行うべきなのだろうか。

大手の安心を選ぶなら、業界トップのSBI証券だろう。2010年度から2015年(4月-9月期)におけるネット証券各社のシェア(下図)から分かる通り、SBI証券は業界2位の楽天証券と倍以上のシェアを持つ。また投資信託の販売でも業界随一の品揃えと低い手数料を実現している。

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松井証券は近年シェアを伸ばしつつあるというだけでなく、営業利益率が業界でトップで、極めて利益の出やすい上客を獲得している。

直近3年間における各社の売上高営業利益率の推移を見ると、業界トップのSBIホールディングスをはじめとして競合企業の営業利益率が10%〜30%で推移しているのに対して、松井証券では50%〜60%超と高い水準で安定していることが分かる(松井とカブコム以外は、証券部門以外での売上や利益を含んだ企業全体での業績を比較)。


ネット証券株比較ーー手数料引き下げカブコム、楽天「金融祭り」

そのカブドットコム証券はシステム障害の件数、顧客影響数及び原因分析や、改善・再発防止などの実施状況を正確に把握できないことなどを理由に、金融庁から業務改善命令を受けている。ただ改善計画も出しており、2015年10月23日には株式の売買手数料を引き下げることを発表するなど攻めの姿勢を崩しておらず、11月4日の郵政IPOでは獲得口座増加を背景に営業利益率が上昇する結果となった。

楽天証券は現在開催している楽天グループの「楽天金融祭り」に参加。これは楽天銀行、楽天カードとともに行ったグループ初のイベントで、金融3社のサービス利用に応じて、楽天市場でのポイント付与率が高まるもの。SBIやGMOなども金融以外の各種サービスをグループで展開しているが、「楽天市場」は小売りではAmazonに並ぶ雄。こうしたグループの強みを活かしたサービス展開は今後も期待され、業績への好影響は期待できるのではないだろうか。


ネット証券株比較ーーマネックス証券は社長交代、GMOはダイワと提携交渉中

マネックス証券は近頃バズワード化している「FinTech」(フィンテック)の元祖を掲げていることからも分かるように、ネット証券では先駆者だ。10月に創業社長である松本大氏が代表権のある会長となり、新たに勝屋敏彦氏が新社長になった。松本氏からCEOの肩書は外れていないものの、新社長の手腕は期待したい反面、未知数でもある。2016年度からは、自社開発の新証券基幹システムへ移行するため、これまで利用していた旧システムの事務委託料がかからなくなるなどポジティブな材料もある。

そしてGMOクリック証券のニュースは何といっても大和証券との業務提携の検討だろう。大和証券グループと大和証券という、大手対面証券と、GMOのシステム開発力、マーケティング力が合わされば、新規ユーザー獲得につながるサービスが生まれる可能性は小さくなさそうだ。 (ZUU online 編集部)

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