仏パリで同時多発テロが起きたこともあって、改めてテロに対する関心が高まっているが、米ピュー・リサーチ・センターが今年4月に公表していた「グローバル・アティチューズ・サーベイ2015年版」で、「イスラム過激派の活動を非常に懸念している国」の欧米トップはフランス67%という結果だった。2011年度は29%だったことから、フランスではここ数年、テロに対する危機感が急速に高まっていたことも浮き彫りになっている。

この調査はピュー・リサーチがこれまでに世界91カ国で実施された48万件のインタビューを通して、各国の見解、価値観、傾向などを研究したもの。


欧米各国はやはり高い懸念を示していた

「イスラム過激派の活動を非常に懸念している国」は地域ごとに結果が発表されており、欧米のトップがフランス。続いて、スペイン(61%)、アメリカ(53%)、イギリス(52%)、ドイツ(46%)だった。5カ国ともに2011年には30%前後だったテロへの恐れが、わずか4年で急増している。

イスラム諸国に目を転じると、ナイジェリア(68%)、レバノン(67%)、パキスタン(48%)、パレスチナ自治区(ヨルダン川西岸地区)(40%)、トルコ(19%)で、2013年と比較して平均10ポイント程度増えている。順位はナイジェリアとレバノンが1ポイント差で入れ替わった程度である。


「ISIS」との「イスラム過激派」の活動は受け止め方が違う

国際統計を見てみると、各国「イスラム過激派」と「ISIS」の活動の受け止め方が、国によって味深い。
ナイジェリアでは85%の国民がイスラム過激派に対して強い懸念を示しているが、ISISへの活動をそれほど深刻に受け止めていない国民が62%もいる。パキスタンもそれぞれ55%と45%の比率。これらの国ではイスラム過激派とISISについて別物として考えている国民が多いということになる。これはムスリムが多い国だからだろう。

一方キリスト教徒の多い欧米諸国は様相が異なる。アメリカ、イギリスともに、ISISの活動を非常に心配している国民は70%と高く、ISISの活動をそれほど深刻に受け止めていないと答えた国民も16%と極端に少ない。カナダ(50%と8%)、イタリア(59%と15%)、またポーランド(51%と10%)なども同様だ。フランスは81% の国民がISISに強い懸念を示している一方で、ISISへの懸念をあまり示していない国民は30%と他国と比較しても懸念が高い。

この調査はあくまで、パリの同時多発テロより前に行われたもの。フランスでの危機感は今後さらに高まるだろう。(ZUU online 編集部)

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