年末年始相場

(写真=Thinkstock/Getty Images)

12〜1月の上昇率を検証

日経平均株価が2万円回復を目前に足踏みを続ける中、株式市場は名実ともに12月に入った。手詰まり感を打開する一手として、低位小型株に注目したい。薄商いとなりやすい年末年始相場に強さを発揮する銘柄を探った。(12月1日株式新聞掲載記事*同日、日経平均株価は2万円の大台を回復)

東証1部で株価が500円を下回り、PBR(株価純資産倍率)が1倍未満、時価総額200億円未満の有配銘柄の年末年始相場のパフォーマンスを検証した。11月末終値に対し、12月〜翌年1月の2カ月の間に付けた高値までの上昇率が大きいものは、2012年12月以降では以下の銘柄が浮上した。ピックアップした池上通信機 <6771> 、北興化学工業 <4992> のほかにも、高値更新中のサカイオーベックス <3408> や、有機EL関連の中外炉工業 <1964> などに注目したい。

年末年始相場の上昇率が大きい主な低位株

池上通は類稀な年末年始銘柄、平均5割値上がり

池上通は類稀(たぐいまれ)な年末年始の高騰株。その上昇率は2010年11月以降の過去5回のうち4回で50%を超え、ここ3回の平均は約58%に達する。豊富な材料性から今回も飛翔(ひしょう)が期待される。

同社は業務用カメラに強い放送機器メーカー。世界各国でテロ事件が相次ぎ発生していることを踏まえると、監視カメラの設置需要は右肩上がりの増加が予想される。国内では20年の東京五輪へ向け、セキュリティー強化の流れは一段と強まる。

また、国策としてジェネリック(後発医薬品)の使用が促進される中、医療分野で同社が手掛ける錠剤検査装置も成長余地が大きそうだ。業界初のX線錠剤内部検査装置は既に大手ジェネリックメーカーに採用され、今後も普及が加速する可能性が高い。

例年に比べて株価の発射台はやや高いとはいえ、100円台後半の低位にとどまる。今年1月の年初来高値(219円)突破が目標だ。

北興化は「政策」「割安」が武器—PBR0.7倍、650円目標

北興化は政策と投資尺度の両面からマークできる有望株だ。政府が11月25日に決定した「総合的なTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)関連政策大綱」での「攻めの農林水産業への転換」政策は、農薬大手の同社にとってビジネス拡大の強い追い風となる。見逃せないのは、ほかの農薬上場銘柄と比べ、PBR(株価純資産倍率)が際立った割安水準に放置されている点だ。

同社の1株当たり純資産は今2015年11月期第3四半期(6〜8月)末時点で654.91円だが、それに対して株価は470円(11月30日現在)。PBR0.70倍というレベルは、クミアイ化学工業 <4996> の1.69倍はもちろん、日本農薬 <4997> の1.08倍に比べても割り負けは目立つ。足元の業績好調を踏まえると、PBR1倍となる650円台への水準訂正高があってもなんら違和感はない。

今期の連結営業利益予想は25億5000万円(前期比28.5%増)。国内での水稲用除草剤の拡販と、樹脂添加剤を主力とするファインケミカル部門の好調は来期業績に受け継がれるだろう。10月初旬以降の短期もみ合いが収れんし、チャート面からもきっかけ待ちのタイミングにある。

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