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(写真=Thinkstock/Getty Images)

金融リテラシー(知識・判断力)を高めることは、資産を増やすだけでなく、資産を守るためにも必須である。金融商品の広告を雑誌・インターネット・リーフレットなど多くの媒体で見かける。消費者は金融商品の広告を通して色々な情報を入手できるが、たくさんの文言が表示されているため隅々まで読まずに金利の表示のみに目がいきがちである。

わが国では金融商品取引法において、利用者保護の観点から、金融商品の広告において厳しいルールが定められている。ルールを知る事で、しっかりルールが守られている金融商品の広告なのかは判断する事ができる。ルールをみていきながら金融商品の広告を見る際のチェックポイントを紹介していきたい。


金融商品取引法における広告ルールとは?

金融商品取引法の対象となる広告にはテレビCM、ラジオCM、ポスター・新聞・雑誌・インターネット掲載がある。それ以外にも郵便、FAX、電子メール、ビラ、パンフレットなどで多数の人に同じような内容で行う情報提供のすべてを含むものも金融商品取引法における広告の対象となっている。広告には事業者名など、いくつか表示しなくてはいけない項目が義務づけられている。

義務づけられている表示事項は、①事業者名、②登録番号、③重要事項、④手数料(支払う手数料の合計額または計算方法の概要。表示できない場合はその理由)、⑤保証金等の情報、⑥報酬、費用など契約に関して顧客が支払う対価などの情報、⑦金利等の変動による損失が生じる恐れ、⑧元本を上回る損失が生じる恐れ、⑨顧客が不利益になる事実…などがある。

特に「リスク」に関しては、その広告に使用している最大の文字と著しく異ならない大きさの文字で表示しなくてはならない。また利益の見込みについて著しく事実に相違する表示や、誤認させる表示はしてはならないことになっている。

このような金融商品取引法における広告ルールが定められているが、広告を見る消費者においては、しっかり最後まで読む事が大切なことである。大手金融機関が出している金融商品の広告だとあまり読まず、金利だけを見て良い商品と判断してしまう場合も多々見られる。金融商品を契約する際は、広告では理解できない箇所についてはしっかり商品特性を確認し、理解してから購入する事は必須である。


広告のキャッチコピーで注意するポイント

マネー相談では「定期預金のキャンペーンで『好金利商品・年利1%』と書いてあるから普通預金より断然良いので預け先を変えようかと思って。こんな高金利の商品があるのですね」と定期預金のチラシを持参されるケースがある。

普通預金が0.02%と考えれば1%であれば50倍とかなりの高金利とみえるであろう。仮に金利1%の定期預金に100万円預けると、1年後には101万円となっていて1万円も増えると相談者は思い預け先を検討している様子である。

しかし広告をよく見てみると、「預入期間3カ月」と表示されている。さらに下段の注釈をみてみると「上記金利は3カ月の適用となり、その後は円普通預金の店頭表示金利を適用します」と表示されている。これは年利1%が適用されるのは3カ月間だけであり、3カ月のキャンペーン終了後には解約しない限り4カ月目からは普通預金の金利が適用されるということである。

実際には1年後に1万円の利子がつくわけではなく、3ヵ月分=1年の4分の1であり1%÷4=0.25%の2500円となる。つまり100万円預けると3カ月後に2500円が増え、4カ月後からは普通預金の0.02%の金利が適用される。この様に定期預金の広告では高金利の表示のみに目が行きがちだが、後になってから、もう少したくさん増えると思っていたのにということにならない様に、自分自身でもしっかり広告をみて、注意事項を見落とさず、広告の情報を丁寧に見極める事が大切である。


ルールを厳守している広告かどうか

金融商品の購入を検討する際には広告は重要な情報源となる。だからこそ、こうしたルールを厳守しているかチェックすることも大切である。

ルールを厳守していない広告には以下の様なものがある。たとえば、株価の動きや価値は変動するもので将来に関しては不確実であり、誰もが確証が持てないものである。ところが、過去の急騰銘柄の事例を並べることで、不確実な事象において将来的に高い利益が得られるのではと期待をさせ誤認させる悪徳な広告がみられる。

ネットの広告などで「急騰銘柄を公開」など、会員登録を誘うサイトも見られる。このように有利になる助言実績だけを表示する悪質な広告については注意が必要である。金融商品の広告を見る際には、ルールを厳守している広告であるかはもちろんのこと、注意事項までもしっかり確認した上で誤認のない様に注意してほしい。

今関 倫子 ファイナンシャル・プランナー (AFP)
外資系保険会社勤務中にファイナンシャル・プランナー(FP)を目指し、AFP(日本FP協会認定)資格取得後、独立系FP事務所に転職。女性を中心に年間のべ200件以上のマネー相談を受け、多くの経験を経て独立。個人マネー相談、執筆、マネーセミナーを中心に活動中。 FP Cafe 登録FP。

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