国民年金保険

(写真=PIXTA)

日本に居住する20歳以上60歳未満の人は、厚生年金などほかの年金制度の加入者を除いて、国民年金保険料を納める必要があります。では万が一、国民年金保険料を払わなかった場合はどうなるのでしょうか?

収入がなく保険料が払えない人は、保険料免除や納付猶予の申請を行い、承認されれば「未納」扱いにはなりません。しかし、収入や貯金があって払えるのに払わない人は、最終的には財産の差押えという厳しい結果が待っています。財産の差押えにいたるまでの流れは次のようになっています。

第1段階:納付督励

納付督励とは行政指導として自主的に納付を促す行為のことです。具体的には、「催告状」を送付したり、電話連絡や戸別訪問をしたりします。

第2段階:「特別催告状」送付(2014年度:989万件)

「納付督励」を行っても国民年金保険料を納付しない人や保険料免除などの申請のない人には「特別催告状」が送付されます。「特別催告状」には、納付期限が指定してあり、この期限までに保険料の納付や免除などの申請がない場合は「滞納処分」を開始します、ということが書かれています。

この「滞納処分」とは「差押えプロセス」のことです。また、「特別催告状」には、延滞者本人のみならず連帯納付義務者である世帯主や配偶者の給料や財産を差し押さえる場合もある、と明記されています。

つまり、「本人がだめなら家族の財産も差し押さえるぞ」という予告です。「特別催告状」が送られたあと、電話・来所要請などで納付をお願いするフォローアップが入ります。経済的に保険料の納付が難しい人には、保険料免除や納付猶予の申請をすすめます。

第3段階:「最終催告状」送付(2014年度:6万5654件)

「特別催告状」の指定期限を過ぎても何のアクションもなく放置された場合、いよいよ差押えのプロセスに入ります。ただし、誰に対しても差押えをしようというわけではなく、対象者の絞り込みを行います。

ターゲットは支払い能力があるのに保険料を納付しようとしない人です。まず、本人と連帯納付義務者である世帯主・配偶者の所得が調査されます。一定の収入があり払えるはずなのに払わない人を抽出し「最終催告状」を送付します。