山陽新幹線全線開業40周年記念。何かインパクトのある企画をと考えていたところに「500系はエヴァに似ている」と若手社員が発言したことから、新世紀エヴァンゲリオン新幹線「500 TYPE EVA」の運行が決まった。「TYPE VA」が“リフトオフ”(発進)した11月7日には、JR博多駅にコスプレをした多くのファンが詰めかけた。
山陽新幹線40年の歴史
1972年に山陽新幹線、新大阪-岡山間が開業した。これはパンダのカンカン・ランランが来日した年と同じだった。その後、新関門トンネルが貫通し、1975年に岡山-博多間が開業、山陽新幹線全線が開業した。1975年はマイクロソフト社ができ、ベトナム戦争が終わった年だ。この時走っていたのは0(ゼロ)系新幹線。ここから山陽新幹線の歴史が始まった。
その0系新幹線は2008年にさよなら式典が行われ、定期運転が終了した。続いて1985年~2012年までは100系新幹線、93年~2012年は300系新幹線が運行していた。
今回、エヴァ新幹線となったのは97年以降運行している500系新幹線。車体の正面、新幹線の顔の部分が他の新幹線よりもシャープで、色がブルーであることからも確かにエヴァ初号機に似ているとも言えるかもしれない。
監督は山口県出身、制作会社「カラー」とコラボ
原作では大災害「セカンドインパクト」後の世界が描かれている。偶然なのか設定は2015年、エヴァ新幹線運行開始と同じだった。1995年から全26話がテレビ東京で放送されたが、再放送や何度も映画化され、爆発的なブームとなった。そして現在は、「新劇場版」シリーズ全4作の劇場版の制作発表され、現在3作目の「Q」まで公開されている。
JR西日本がエヴァ新幹線の企画案を制作会社「カラー」に持ち込んだところ、タイミング良くテレビ放送開始から20周年目でもあり、夢のコラボ「新幹線:エヴァンゲリオン プロジェクト」の始動となった。
エヴァの総監督である庵野秀明氏が監修を、メカニックデザインを担当していた山下いくと氏がデザインを担当した。庵野氏は500系を「一番好きな新幹線車両」、山下氏は「500系は一番格好いい車輛、エヴァ的カラーリングにするとともに元のデザインを生かして未来からやってきた500系みたいにできたらいいな」と発言している。
庵野氏は「シン・ゴジラ」でメガホンを取ることが決まっているが、このエヴァ新幹線の実現には、もしかしたら氏が山口県出身ということ、1960年生まれで特撮好きの彼にとって「新幹線」が特別な存在であるも関係しているのかもしれない。