7月 中国問題やギリシャ問題、米4−6月期のGDP上方修正
中国株の下落、またギリシャの緊縮策に対する国民投票での否決により一時120円台まで相場が下落した。その後、ユーロ圏首脳会合においてギリシャ支援について合意に達し、また議会においても改革法案を可決したために124円台まで上昇した。米国4-6月期のGDPでは上方修正が行われた為に124円後半まで情報したが、最終的には123円台で月末を迎えた。
8月 利上げ予測と中国ショックによる世界同時株安
月初、FRBによる9月利上げが意識され125円の大台を超えた。しかし中国の3日連続での元切り下げ、中国上海市場株価急落による中国ショック、世界同時株安により24日には116円台をつける大暴落となった。中国人民銀行による預金準備率と政策金利の同時金融緩和により、月末には121円台まで回復したものの、極めてボラティリティの高い1か月となった。
9月 中国ショックの継続と利上げの見送り
引き続き中国ショックが継続し119円台まで円高となったが、いよいよ利上げを行うのではないかという期待から月中旬には121円台まで上昇した。しかし利上げは行われず、声明文もハト派寄りとなっていたため119円台へ下落し、月末を迎えた。
10月 ECBドラギ総裁による追加緩和の示唆
前半は119円前後での展開であったが、22日のドラギECB総裁の会見で、12月の追加金融緩和の可能性が示唆された。マイナス金利からの更なる引き下げとして想定外の発言であった為、一時121円台まで上昇し、120円台で月末を迎えた。
11月 雇用統計の好調、パリ同時多発テロ、利上げ期待
10月の雇用統計が予想を大きく上回る好調となった為、利上げ期待により前半は123円台まで上昇した。しかしパリにて同時多発テロが発生し一時122円台まで下落となった。しかし各種指標での米国経済の好調により、12月の利上げの可能性が極めて高いとされ、123円台に回復し月末を迎えた。
12月 9年半ぶりの米国利上げ
12月17日午前4時(日本時間)に9年半ぶりのFOMCによる利上げが行われたが、為替は伸び悩み122円台で止まり、11月の高値にも届かない結果となり、ソフトランディングが成功する形となった。今後もインフレ動向によってはサイドの利上げを行うとしているため、2016年3月頃に再度利上げを行うのではないかと注目されている。
2015年は様々な大きなイベントがあったものの、ドル円相場は120円を中心に115円から125円のレンジで動いていた。2016年には更なる利上げが見込まれる3月に向けてドル高、円安が想定されているが中国経済やシリア問題など不安要素もいまだ多い。年明けの為替相場も引き続き注視が必要だ。(ZUU online 編集部)