みずほフィナンシャルグループ <8411> の取締役会は12月18日、自由民主党に対して、正確には自民党の政治団体である国民政治協会に対して18年ぶりに政治献金を再開することを決めた。年内にも2000万円を献金すると言われており、三菱東京UFJ銀行や三井住友銀行も追従すると報道されている。金融機関による政治献金については賛否あるが、何が問題なのか。政治献金の歴史と是非を見ていく。
政治献金の意味
政治献金、特に企業より行われる企業献金について、県団連では「企業の政治献金は企業の社会貢献の一環として重要性を有する」との考え方に立っている。つまり、企業活動を行うにあたり、当然企業は政治に関わり保護されている。その為、企業は安定した政治が行われるように資金面において貢献すべきであるとの考え方だ。
しかし同時に、政党に対して金を出すと言う事は、有言無言の圧力にもなる。特にゆうちょ銀行が上場し、普通銀行へ転換しようとしている現在においては、銀行としてはゆうちょ銀行の普通銀行への転換反対。また預金限度額引き上げ反対に対する自民党への圧力にもなる。自らの業界・団体の為に政治献金を行うのであり、そうでなければ株主に対する説明責任も果たすことができない。
銀行の政治献金の歴史
大手銀行にとっては18年ぶりとなる政治献金だが、かつては銀行業界の献金は大きなシェアを占めていた。1995年においては企業献金全体の44.4%が銀行業界からの献金であったとされる。この時期の政治献金の目的は法人税増税の阻止だった。
1980年税制改正では自民党は法人税引き上げを目論んでいたが、銀行を含む経団連は法人税増税が行われた場合献金を停止するとほのめかすことで、法人税増税をとん挫させた。「献金は新規政策に対する拒否権である」といわれる所以だ。
1998年の銀行に対する公的資金投入の際より大手銀行からの献金は途絶えているが、公的資金の返済が終了した本年度よりさっそく献金を復活させようとしている。