マーケットビュー

◆2015年のマーケット振り返り

先週のマーケットビューでは、クリスマス期間中で商いが薄いことから大きな値動きは出にくいのではないかと記しましたが、原油価格の反発を受け米国株は大きく上昇しました。

早いもので2015年も終わりを迎えようとしています。簡単に今年のマーケットを振り返ってみましょう。一言で言うと、2015年の米国株は「上値が重い年だった」と総括できるでしょう。

年初から3月にも利上げが行われるのではないかとの思惑が広がって積極的な買いは出にくく、ダウ平均は1万8000ドル前半で頭打ちとなりました。

夏場にかけても1万7500ドルから1万8000ドル台前半での推移が続いていましたが、原油などのコモディティ価格の下落と相まって中国経済がハードランディングするのではないかとの思惑が高まり、株価は急落しました。

秋口以降は市場の反応が行き過ぎだったとの観測から徐々に株価は回復基調となり、市場は落ち着きを取り戻しました。

そして、12月15日と16日に開催された連邦公開市場委員会(FOMC)でついに利上げが決定されました。イエレンFRB議長は今後の利上げペースがゆっくりとしたものになることを繰り返し強調するなど市場とのコミュニケーションを円滑に行い、利上げ後も株価はまずまず安定して推移しています。

24日時点のダウ平均1万7552ドルに対し、2014年末の終値は1万7823ドルと現時点で米国株は年間騰落率がマイナスに沈んでいます。

表に示したとおりドイツのDAX指数や日経平均はプラスのリターンを確保しており、米国株が先進国株価の中で冴えないパフォーマンスだったことがわかります。S&P500のPERが17倍前後と割安感はない水準での推移が続いたことに加え、原油安によりエネルギーセクターが足を引っ張ったことが米国株が冴えなかった要因でしょう。

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益嶋裕
マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部

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