株,購入 (写真=PIXTA)


株を購入する際に留意すべきことは何だろうか。投資対象企業の売上高や当期利益、自己資本額など、チェック項目はいろいろある。では「やってはいけないこと」という観点で見ればどうだろうか。そこで次の6つを「やってはいけない」注意事項として紹介したい。

その1「ネット情報を鵜呑みにすること」

ネットにはさまざまな情報があふれている。それらは有用なものもあるが、中には誤解や曲解による不正確なものも少なくない。正確な情報を得るためには、始めに情報源を確認することが重要だ。

個別企業の情報であれば当該企業の公式サイト、東証の適時開示情報閲覧サービス(TDnet)に掲載されているものがもっとも正確だ。GDPなどの経済統計や政策に関する情報は所轄官公庁のサイトで確認することが基本。大手マスコミでも2次情報は誤っている場合もある。正確を期すためには必ず、情報発信源となる企業や官公庁のサイトへアクセスすべきだろう。

また、解説情報には情報発信源の企業や官公庁が公表しているものも含め、何らかのバイアス(偏向)があると認識することも大切だ。例えば企業が公表する決算情報の解説資料であれば、当該企業の業績向上に結び付く前向きな解釈が行われているはずだ。解説情報を的確に読み解くためには、解説者の立場(企業の広報担当者、証券アナリスト、新聞記者など)を斟酌することが重要だ。

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その2「人から勧められただけで投資すること」


投資に際し様々な情報を収集し参考にすることは大変良いことだ。しかし投資方針や戦略は十人十色だ。A氏にとって最適な銘柄選択がB氏にも当てはまるという単純な話ではない。短期回転売買と長期保有、分散投資と集中投資、若年者と高齢者、庶民と富裕層など方針や立場の違いにより望ましい銘柄も異なってくる。万人に通用する推奨銘柄は存在しないことを肝に銘じるべきだ。

もし特定銘柄への投資を熱心に勧める人がいれば、その理由を丁寧に聞いてみるとよいだろう。そうすれば自らの投資スタンスに適合する良いアドバイス、単なる自己満足のアドバイス、何らかの利益目的のアドバイスのいずれなのかを見分けられるはずだ。

その3「 知らない会社の株式を買うこと」


日本の金融商品取引所では3500社超の企業が株式を上場している。これらの企業の動向を全て把握することは大手金融機関でも不可能だ。このため投資対象とする銘柄の範囲を限定しなければ良好な運用パフォーマンスを享受することはできない。

その場合、馴染みのある業種に絞ることが賢明だろう。企業研究を怠らなければすべての銘柄が投資対象になるという考え方もあるが、より適切に売買のタイミングを見極めるためには肌感覚も含めよく分かる業種に限定する方が無難だ。

例えば専業主婦は小売業、食品業など消費財に関連した企業群を投資対象とすることが望ましいのではないだろうか。自分がよく知っている業種や企業であれば、需給動向や市場構造の変化をより早く察知できるはずなのだ。

その4 「銘柄ランキングを根拠に投資すること」


上述のとおり投資方針や戦略はさまざまだ。株式売買高、時価総額、株主資本利益率(ROE)、総資産利益率(ROA)、株価純資産倍率(PBR)などの銘柄ランキングは参考情報となり得るが、投資判断の決め手になるものではない。

株式売買高や時価総額は必然的に大型株ほど大きくなる。トヨタ自動車<7203>、ファーストリテイリング<9983>、三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>など錚々たる大企業が上位に名を連ねることになる。ROEは自己資本額が少なければ高くなり、ROAは相対的に製造業が低くなるといった傾向もある。ランキングを参考にする際は、何を評価し順位付けしているかを理解することが大切だ。

その5「有名企業にだけ投資すること」


社会的な知名度、認知度を基準に投資することは危険だ。小売業者、食品製造業者、衣料品製造業者など消費者と直接向き合う企業はテレビコマーシャルなどの広告宣伝活動に力を入れ認知度の向上に努める。

一方で、その裏にいる問屋・商社、物流業者、部品製造業者などはあまり表に出てこない。しかし実際にはそうした裏方企業がビジネスのイニシアティブを握っている可能性もある。例えば豚肉流通の肝を握っている業者は誰かということを考え投資銘柄を検討することが重要だ。

その6「指標を信じ過ぎること」


上記のとおりROE、ROAなどの指標は一義的に評価できるものではない。ROEの高さは自己資本の脆弱性と表裏一体であり、ROAは多額の設備投資を要する製造業の方が低くなる業種特性に依存する指標だ。

マクロ経済データでも例えば円高がプラスに働くか否かは企業の事業特性や海外展開の実態や経営方針により異なってくる。さまざまな指標をポジティブに評価するかネガティブな材料とみるかは投資家ごとに違って当然だ。自らの投資方針や戦略に照らし指標を読み解くことが大切だ。

「投資方針の確立と視野の広さが重要」


株式投資は自己責任で行うものだ。このため自分なりの投資方針や戦略を確立しなければならない。一方で特定の投資哲学やスタイルに拘り過ぎることは危険だ。株を購入する際には、常に全体を見渡し状況に応じ着眼点や投資手法を変更する柔軟性を保つことも重要だ。

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