株で儲ける (写真=PIXTA)

多くの個人投資家にとって、株式投資は長期的な視点で臨むことが適切であると思われる。「株で儲ける」という考え方は投機的な側面が強くなるため、時間が限られた中で投資を行わなければならない投資家にとっては、「資産形成を図る」という考え方のもと将来を見据えた投資が必要となってくるのではないだろうか。

株式投資においては、リスクを理解し、目的をはっきりさせた投資を心がけることが大切だ。

投資は投機という考え方を捨てる

日本では投資=投機という考え方がいまだに根強いと言われている。株式投資はリスクが大きく、損をするという考えの人は少なくないだろう。政府が貯蓄から投資へということを長く言い続けているものの、根付いていないのが実情だ。しかし、株式に限らずこの世にリスクのない金融商品というものは存在しない。

安全とされる預貯金であっても、リスクがゼロというわけではない。預金はペイオフによって預金者1人あたり元本1000万円とその利息は、制度によって守られているものの、それ以上の部分は金融機関が破たんした場合には誰も保証してくれない。

また、低金利の時代にあって、物価だけが上昇していけばお金の価値は目減りすることにもなる。実際に、アベノミクスによって輸入物価の上昇や消費税の引き上げが行われたことで、お金の価値は減少傾向にある。

資産の全てというわけではなく、一部を株式や投資信託などの金融商品に振り分けるという考え方は資産を守るためには決して悪いことではない。

しかし、投資には知識を要するのも事実だ。全く投資をしたことがないという人には敷居が高く感じられるのも無理はないだろう。ただ、専門的で高度な知識を身につける必要はなく、最低限の知識を身につけ、自分がどのくらいのリスクを負うことができるのかということを理解しておくことが重要となる。

株式投資は短期間で大きな利益を出すことができる可能性もあるが、株で儲けようと欲を出せば、うまくいかないことがほとんどだ。経済や企業の成長を考え、資産を無理なく増やしていくということが大切なのである。

リスクを理解する

株式投資においてのリスクには、変動リスク、流動性リスク、上場廃止リスクなどがある。

株価は日々、取引所で不特定多数の投資家によって売買されているため、変動リスクが常に付きまとう。大きく利益を得ることができる反面、大きな損失を負う可能性もある。

流動性リスクは、市場での取引量が少なく、株を売却しようと思った時に値段が付かず、意図した価格から売却価格がかけ離れてしまう可能性があるリスクのことだ。市場であまり注目されていない銘柄を取引する時や、悪材料によるストップ安などで引き起こされるリスクだ。

上場廃止リスクはその名の通り、上場廃止によって取引所で売買ができなくなるリスクのことをいう。企業の倒産や取引所の上場基準に満たなくなった場合に、上場廃止となることがある。

このように株式は元本保証でないため、リスクはつきものだ。しかし、リスクを損失と考えるのではなく、どのような時に株価が変動するのかということを理解し、自分のリスク許容度を確認しておけば、株とうまく付き合っていくことができるはずだ。

投機は大きなリスクを伴う

投機とは機会に投じると書くように、株価の資産価値などを深く考えず、タイミングを重視して短期的に売買を行うことだ。株式投資で言えば、1日の中で売買を完結させるデイトレードがこれにあたる。

短期売買は、ある程度の取引時間を確保する必要や相場に敏感になる必要があるため、相場に一喜一憂し、精神的な負担も大きい。取引に時間を割くことができる専業投資家ならまだしも、多くの投資家にとっては適さない手法だと思われる。

短期売買は中途半端な考えで始めると損失を積み重ねてしまうという取引手法でもある。人間というのは、目の前にある利益は早く得ようするため、株価が上昇すると薄利でも売却したくなるものだ。反対に意図せず下落した時は、そのうち上がってくるだろうと考え、マイナスになっていてもなかなか売却できないものだ。

目的をはっきりさせて、意図しない動きをしたときは損切りなどの対処ができなければ、売買を繰り返す取引手法においては損失が利益を上回る状態が続くことも珍しくない。

短期売買は、短期間で利益を出すことができるものの、儲けるという側面が強く、資産形成とは全くことなるものだ。

長期で資産を形成していく

資産を形成していくためには、腰を据えて長期的な視点に立つことが大切だ。株価というのは企業が経済活動の中で成長する企業価値を評価され、形成されていくものだ。しかしながら、短期的には様々な要因によって変動するため、たとえ好業績の企業でも上昇し続けることはない。

株は安く買って高く売ることで利益を出すものではあるが、底値で買うということは簡単なことではない。株を購入した後の短期的な変動には過敏にならず、買値から調整するようであれば買い増すといったことも考えながら行うのがよいだろう。

また、1つの銘柄に集中して投資するのではなく、異なる業種の複数銘柄に投資を行えばリスクを分散することもできる。

そうはいっても複数の株を購入するにはある程度の資金が必要となることもあるので、大きな金額を株式に振り向けることができないという人は、ETF(上場投資信託)や投資信託の積立投資を行うものよいだろう。

ETFは株と同じように取引所で売買することができる商品で、日経平均株価やTOPIXなどに連動するように運用されている。銘柄によっては1万円程度から購入することができ、少額で日経平均株価に組み入れられている銘柄全てに分散投資する効果が得られるため、長期投資には有効な商品であると考えられる。

また、証券会社で販売している投資信託は金額を指定して購入することができるため、給料などから一定金額を積み立てていくのもよいだろう。

特定銘柄を少額で、期間を分散して投資したい時には、証券会社によっては株式累積投資という毎月決まった金額で同じ銘柄に投資することができるサービスも提供している。

株式投資の際は、短期的に大きく儲けようとするのではなく、長期的に資産を形成していくという考え方が必要だと思われる。

まずは証券会社の開設を

株式投資をするにはまず、証券会社に口座を開く必要がある。今回は、長期投資をすることを見据えて取扱商品が多い証券会社をご紹介する。

SBI証券

ネット証券では最多の350万口座を誇る「 SBI証券」。最大手という安心感からか、初心者の人気が他のネット証券に比べると高いようだ。取扱商品が多いのも人気の理由である。外国株やIPO銘柄など、それぞれにおいて取扱数は他のネット証券を上回る一方で、ミニ株やPTS(時間外取引)など取扱商品の種類も豊富だ。

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カブドットコム証券

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