インデックス,投資

(写真=PIXTA)

年金問題や今後の増税のことを考えると、将来への不安が募る。資産形成のためには何か投資を始めなくてはならないと思いつつ、どういった投資をしていいか迷っている人が多いだろう。確定拠出年金の普及とともに自分の年金は自分で決める時代に変わりつつあり、自分の資産形成は自分で考える必要がある。投資スタートの第一歩として、月々5万円の積立投資をした場合に30年後にどれくらいになるかを比較してみたい。

月5万円を30年続けると1000万円以上の差がつく

毎月5万円ずつ積立で払い込むと30年後は1800万円を払い込むことになる。現在、銀行の積立定期預金金利は1番高いものでも0.30%程度。もちろんこの低金利が30年続くとは限らないが、現状が続くとしたら30年後でも1883万円だ。

投資した商品がすぐに上がるとは限らない、ただ30年という年月があれば、過去の実績から判断してそれなりのリターンが期待される。むしろ、毎月一定金額の買い入れる方法は、ドルコスト平均法といって、安い時にこそたくさん買えるため、時間の分散によるリスクの軽減ができると言われている。積立投資をスタートするにはいいタイミングかもしれない。

投資の収益を過去の実績で見たものを期待リターンという。仮に、期待リターンが3%のアセットに毎月5万円ずつ30年間積み立てると30年後には2913万円になる。5%のなら4161万円、7%なら6099万円だ。3%で運用できれば30年後には投資金額に対して1113万円増加となる。5%だと2361万円増、7%なら4299万円増となり、期待リターンによって将来の価値には大きな違いがでてくる。それでは何に投資したらいいのだろう。

GPIFを参考に主なアセットクラスを理解しよう

投資する金融商品をアセットクラスといい、主なものには、自国の株式(日本の投資家なら日本株)、自国の債券(日本の投資家なら日本の債券)、外国の株式、外国の債券の4つのクラスがある。

それ以外には、オルタナティブ投資(代替投資)といって、不動産、商品、インフラストラクチャーファンド、プライベートエクイティ、ヘッジファンドなどがある。 もちろん初心者でも始めやすいのは、4つの主要アセットクラスだ。

アセットクラス別の期待リターンを過去の長期の実績で見てみよう。日本の国民年金と厚生年金を運用しているGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の過去20年のデータをここでは紹介する。名目期待リターンは、日本株が6.0%、日本債券が2.6%、外国株が6.4%、外国債券が3.7%だ。

それなら期待リターンの高い外国株に全部投資すればいいのだろうか?投資の世界ではリターンとリスクはトレードオフの関係にあることは常識で、リターンが高いものほどリスクが高いのだ。リスクとは標準偏差をいい、変動率が高いということだ。

中国株をみれば、わかり安いだろう。上がるときも下がるときもボラティリティが高い。GPIFのデータでは、日本株のリスクが25.1%、日本債券が4.7%、外国株が27.3%、外国債券が12.6%となっている。リターンが高いほどリスクも高くなっていることがわかるだろう。

一概に外国といっても、先進国と新興国がある。株でも債券でも新興国の期待リターンは先進国より高いがリスクも高い。外国株、外債投資をする場合はどの国に投資するかも考える必要がある。

GPIFの日本株の比率は25%

GPIFを始め運用のプロは、この主要4アセットをいかにして分散投資して、ドローダウンという短期的な下振れリスクを最小化しながら、最大の投資効果を得られるように常に考えているのだ。

ドローダウンを最小化するためには、アセットクラス間の相関度を下げる必要がある、すべてが日本株と中国株では下げるときに一緒に下げてしまう。それを避けるために、違う動きをする債券などを組み入れるのがアセットアロケーションの考え方だ。

現在の、GPIFのモデルポートフォリオは、日本株25%、日本債券35%、外国株25%、外国債券15%だ。それぞれのアセットに許容乖離枠があり、例えば日本株は10%が許容乖離枠となっているため、15−35%の間で日本株を運用することになる。

またアセットアロケーションは常に経済環境・市場環境で変わるため5年ごとに見直すことになっている。 このアロケーションによるポートフォリオ全体の期待名目リターンは4.57%でリスクは12.8%だ。

毎月積立の投資を始める場合、アセットアロケーションが出来ればベストだが、いきなりはハードルが高すぎるだろう。積立資金を結婚、子供の学費、家の購入などで使う予定がある場合はリスクの低いものから始めるのが基本だ。もしくは、GPIFを参考にしながら自分で5万円を分散投資するのも有効だろう。さて投資するアセットクラスを決めたらどうしたらいいのだろう。

インデックス投資から始めてみよう

一番簡単で確実なのは、投資信託を通じてのインデックス投資だ。初心者にとって、投資信託への投資というと「まずファンド選び」という考えを持つだろうが、アセットアロケーションという見地から言うと、個別のファンドより、まずどのアセットクラスに投資をするかを決めることの方が重要だ。

米国株と日本株は、短期では相関性が高く感じるだろうが、長期で見るとかなり乖離している。過去25年で比較すると、米国ダウ平均は、1990年末から2015年末まで6.6倍、日経平均はマイナス20%。これだけの差がついている。

この間、いくら日本株を上手く運用しても、米国株の運用成績を上回ることは難しかっただろう。それが、個別ポートフォリオよりも、アセットアロケーションが大事だという事だ。

ファンドマネージャーが個別銘柄に投資して運用するファンドをアクティブファンドという。日経平均などの指数に連動するように作られたファンドをインデックスファンド(パッシブファンド)という。アクティブファンドは本数がありすぎて選ぶのは大変だ。しかも、アクティブファンドでインデックスを上回るパフォーマンスを出すファンド数は少ない。初心者には保有コストも安いインデックスファンドがおすすめだ。

インデックスファンドは、投資信託がもっとも一般的だが、証券取引所で株と同様に売買できるETF(株価指数連動型上場投資信託)を買う方法もある。インデックス投信と同じように市場に連動した値動きをするが、インデックス投信と違い取引時間内ならリアルタイムに随時、売買できる事が大きな特徴だ。最近は、ETFの普及により、インデックス投資が簡単で低手数料でできるようになって人気が上がっている。

インデックスファンドの選び方

主要アセットクラスには、必ずベンチマークという指標がある。日本株なら日経平均や東証株価指数(TOPIX)などだ。外国株では、MSCIの世界株指数やMSCIの新興国株価指数が有名。日本債券ならたとえば野村證券が出している野村BPI指数、外国債券ならシティグループ世界国債インデックスなどがよく使われている。

その指標に連動するのがインデックスファンドだ。投信では簡単に海外のインデックスファンドを探すことが出来るだろう。ETFでは、日経平均、TOPIXに連動したETFだけでなく、海外の株価指数に連動した海外のETFも徐々に日本の証券会社で購入する事が出来るようになっている。こうしたなかから、自分が買いたいアセットとベンチマークを決め、月次で積立の出来るものを探せばいい。

その際に重要なのは「手数料」だ。投資信託はファンドによってかなり手数料に差がある。販売手数料、信託報酬(毎年の運用フィー)と言った手数料は投資のリターンを確実に下げる。インデックス投信はアクティブ投信よりも概して手数料は安い。

ただトータルの手数料は、ETFの方が確実に安い。日本でも今後益々ETFの売買が活発になることが予想されており、ETFだけで個人のアセットアロケーションが出来るようになるだろう。

ただ、ETFの場合は、1単位買うのが原則であり、5万円といった定額で毎年積立をするのなら投信が優れている。また、ETFは配当(分配金)を再投資出来ないが、インデックス投信は再投資できるものが多い。30年積み立てると再投資効果もかなり効いてくるので、購入前に確認しよう。

投資初心者の場合は、まず始めることだ。そしてリスクの小さいものから始めることが基本だ。その間に、金融リテラシーを身につけ、投資に対して理解が深まってきてから、リスクの高い資産に挑戦してもいいだろう。

インデックス投資のために口座開設からはじめよう

インデックス投資をするにはまず、証券会社に口座を開く必要がある。その際には、自らに合ったネット証券を選ぶことが重要である。今回は以下の2つのネット証券を紹介するので、是非参考にしてみて欲しい。

カブドットコム証券

プレミアム積立(投信)という、毎月500円から積み立てをすることが出来る投資信託サービスを提供している。スマートフォンからでも投資が出来るので、投資経験が少ない株初心者も利用しやすい環境である。投資の知識なども広く公開され、投資情報が得やすいのも魅力の1つ。母体が三菱UFJフィナンシャル・グループであるという点も、「カブドットコム証券」が安心して取引を行うことができる理由の一つとなるだろう。

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SBI証券

ネット証券では最多の350万口座を誇る「 SBI証券」。最大手という安心感からか、初心者の人気が他のネット証券に比べると高いようだ。取扱商品が多いのも人気の理由である。外国株やIPO銘柄など、それぞれにおいて取扱数は他のネット証券を上回る一方で、ミニ株やPTS(時間外取引)など取扱商品の種類も豊富だ。

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