浙江水晶光電科技(002273、深セン中小企業板)は浙江省台州市を拠点とする光学部品メーカーで、光学フィルムでは業界最大手だ。アップルに対しては中国企業で唯一、iPhone Xの顔認識に使われる3Dセンサーのコア部品を供給している。

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(画像=ZUU online編集部)

目次

  1. 日本企業のオプトランへの資本参加で技術力、開発力が向上
  2. 浙江水晶光電科技の業績
  3. 業績の圧迫要因は「スマホ不振」
  4. 「株価10倍」への後押し材料とは?

日本企業のオプトランへの資本参加で技術力、開発力が向上

星星集団の傘下企業として2002年に設立された。星星集団は、1957年生まれの葉仙玉会長が1988年に創業した浙江省を代表する民営企業集団の一つである。冷蔵庫の部品生産から事業を起こし、冷凍庫、冷蔵庫、食器洗浄機、ウォーターサーバー、空調などの家電製品から、光学フィルター(同社の事業)、タブレット筐体、タッチパネル、PCモニター、液晶テレビ、スマート便座といったハイテク製品の製造や、貿易、金融などを営むコングロマリット企業である。傘下企業では、同社のほかに、タブレット筐体、タッチパネルを製造する星星科技(300256、深セン創業板)が上場している。

同社は設立直後から、デジカメ、スマホ、監視カメラ、PC用カメラなど幅広い用途に用いられ、CCDなどの個体撮像素子で撮像する際に発生するモアレを取り除き、自然な画像を得るために用いられる光学ローパスフィルタ(OLPF)や、スマホ用IRカットフィルターを製造。2008年9月に深セン市場に上場した。その後、LED用サファイヤ基板の製造を開始。また、交通安全などに使われる反射材製造企業を買収するなどして業容を拡大した。

2014年12月、日本企業のオプトラン(6235)の株式を20.38%取得、筆頭株主となった。投資額は22億5100万円であった。オプトランは光学薄膜装置メーカーであり、アップルのiPhone 8、iPhone Xのメーカー向けに製品を納入する世界的に高い技術力を持った企業である。創業者は日本の光学薄膜装置大手メーカーの開発課長を務めた孫大雄氏である。同社の光学フィルム、サファイヤ基板はいずれも難易度の高い薄膜技術を必要としており、オプトランへの資本参加は同社の技術力、開発力向上に大いに役立っている。