一度足を運んでみたかった憧れの地を旅する。あるいは、現役時代に夢見た豊かで快適な居住空間で第二の人生を過ごす――。退職までに十分な資産を形成していれば、そんな夢物語も現実的な目標となる。もし資産が「1億円」あれば、どんなことができるだろうか。

お金は「可能性」

退職後、資産が「1億円」あったらできること
(画像=kai / stock.adobe.com)

長年の会社勤めを終えて、ようやくまとまった時間を手にしたとき、何を実現したいだろうか。気の向くままに旅をする。楽しんできた趣味に没頭する。大切な家族との時間にあてる。何を重視するかは人それぞれだが、何をするにせよ、先立つものは欠かせない。

定年退職までに十分な資産を形成しておけば、それだけ楽しみの幅は広がるだろう。もし仮に、1億円の資産を形成していたとすれば、どんなことが可能だろうか。

海外旅行は何回いける ?

定年退職後に1億円の資産があれば、現役時代にはかなわなかった海外旅行を実現したいという人もいるだろう。例えば、海外旅行の定番、ハワイ旅行であれば、1億円の資産で何回できるだろうか。

旅情報サイト「旅ポケット」によると、ハワイ旅行の費用の相場は1人あたり約30万円だ。時期によって費用の相場は変動するものの、1億円をすべてハワイ旅行に使い、1回あたり30万円で単純計算すると、実に333回もハワイに行ける。配偶者と2人で行くなら費用の相場は60万円、回数は166回だ。

もっとも、せっかく1億円あるのであれば、豪華な旅行を満喫したいところだろう。国際線ファーストクラスの相場は100万~250万円とされており、こちらも単純計算すると100万円ならば100回、250万円ならば40回、ファーストクラスに乗れることになる。

豪華な施設に入居できる

会社経営者や弁護士、医師など、高い収入をあげてきた人が集うハイクラスな高齢者用施設への入居も、資産が1億円あれば可能だ。

近年、理学療法士らが在籍し、好立地で設備が充実した高齢者向け施設が増えている。そうした施設は入居一時金に数千万円かかることが珍しくなく、入居を検討するならまとまった資金は欠かせない。

高級施設は家具などの調度品にもこだわり、インテリアはホテルのような上質感のある仕上がりになっている。共用スペースにはフィットネスルームのみならず、プールやダンスホール、図書館や理美容室まで完備している施設もあり、食事でフレンチや寿司を楽しめる場合もある。

こうした施設に入居するには、高額の一時金に加えて月々の利用料も支払う必要がある。それでも1億円あれば、豪華な施設でランクアップしたライフスタイルを実現することも夢ではない。

子どもに高額な「贈り物」も可能に

もし、30歳のときに子どもができ、60歳で会社を退職した場合、退職時にその子どもは30歳になっている。ライフステージが変わるタイミングは人それぞれだが、自分の定年後に結婚・出産、さらにはマイホームの購入などのイベントが起こることも想定される。

1億円の資産があれば、「人生最大の買い物」と言われるマイホームの購入を援助することも可能だ。

贈与税の基礎控除は年110万円なので、住宅ローンに合わせて30年間上限いっぱいの贈与を行えば合計金額は3,300万円。子供の負担を相当減らせる上に、自分たちは残った資金で先述した高級施設への入居や豪華な旅行も可能だ。

資産運用はどうすればいい ?

では、その1億円をどのようにしてつくればよいのか。

退職後の資金1億円をつくるにあたって、貯金だけで実現するのはなかなか難しい。今や市中銀行の普通預金の金利は0.001%で、仮に1億円を普通預金に入れたとしても、1年間で得られる利息はわずか1,000円にしかならない。

やはり、1億円の資産を形成するには、複利効果がある資産運用を始めるのが近道だろう。複利とは、元本に運用で得た利益をプラスし、そのまま再度、投資に回して利益を上げることだ。複利の効果を分かりやすく伝える法則として、元本を2倍にする「72の法則」を紹介しよう。

「72の法則」とは、金利X%で資産運用した場合に、元本を2倍にするのに何年かかるかを簡単な計算式で近似する方法だ。計算式は以下の通りで、例えばX=3%なら、24年で手持ちの元本を2倍にできることがわかる。

72÷X (金利X%) =Y (年数)

同じ金利でも、単利 (投資で得た利益を運用に回さない投資方法) で運用した場合は元本を2倍にするのに33年以上かかることを考えれば、複利の効果がおわかりいただけるだろう。

まずはリスクを抑えながら始めることが大事

1億円の資産形成は、理論上金利が高ければ高いほど早く実現できる。しかし、資産運用の世界では、ハイリターンな金融商品ほどハイリスクなことが多い。そうした金融商品による資産運用は、元本を大きく増やせる可能性がある反面、市況を読み損ねて元本を大幅に減らすリスクと隣り合わせだ。

資産を増やすための投資で、元本を大きく減らしてしまっては元も子もない。資産運用を始めるにあたっては、まずはリスクの低い金融商品から購入し、徐々にリスクを管理しながら投資手法の幅を広げていくとよいだろう。

第二の人生を豊かに過ごすために

定年退職後に資産が1億円あれば、海外旅行、豪華施設への入居、あるいは子どもへのマイホーム購入資金のプレゼントも夢ではない。第二の人生を豊かに過ごすために、いつ資産運用を始めても遅すぎることはない。

(提供:大和ネクスト銀行


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