iDeCoとはどんな制度?
iDeCoは、毎月一定の掛け金を自分で運用して資産を増やし、その資産を老後に受け取る年金制度です。原則、日本在住の20歳以上であれば誰でも始めることができます。確定拠出年金には「企業型」と「個人型」があり、企業型は企業が掛金を負担してくれますが、iDeCoの場合は個人が負担することになります。
iDeCoは、毎月一定の金額を積み立て(掛金を拠出)、あらかじめ用意された定期預金や保険、投資信託などの金融商品で自ら運用して老後の資金確保をすることを目指すものです。どの商品を選び、掛金を何%ずつ割り当てるかなどを自分で考える必要があります。運用先は変更もできますが、60歳になるまで積み立てたお金を引き出すことができません。長期的に運用することで、年金をつくるのが目的となります。
iDeCoの特徴は?
これから実際にiDeCoを始める前に、押さえておくべき3つの特徴を紹介します。
・月5000円から積み立てた掛金を運用する
iDeCoでは、月々の掛金を5000円の少額から始めることができ、以降1000円単位で限度額まで自由に設定できます。運用できる商品は大別して、定期預金や保険などの「元本確保型」と、投資信託をはじめとした「元本変動型」の2種類です。それぞれにメリットデメリットがあるので、内容をよく理解して選ぶ必要があります。
・掛金の拠出限度額とは?
拠出限度額はほかの年金制度の加入状況が考慮され、月額1万2000円、2万円、2万3000円、6万8000円という4パターンあります。企業型確定拠出年金がなく企業年金のない会社員の場合で月2万3000円、公務員であれば月1万2000円です。
・積み立てた資金は60歳まで引き出せない
確定拠出年金の老齢給付金は、積み立て開始から10年が経過していれば60歳から受け取ることが可能です。しかし、20代から始めても60歳になるまでは引き出すことができません。50歳以上で加入して60歳で10年に満たない場合は、受け取りできる年齢が後ろ倒しになります。
iDeCoとはどんな人におすすめ?
ある程度の貯蓄があり、収入の基盤が整った会社員や公務員、自営業者、フリーランスの人は、今すぐにでもiDeCoを始めたほうがよいでしょう。
2017年1月の制度変更で会社員に対応するまで、iDeCoはもともと自営業者やフリーランスのために用意された制度でした。現在でも、自営業者やフリーランスの掛金の上限が月6万8000円と大きく、公務員や会社員などよりも優遇されています。
自営業者やフリーランスは売り上げとともに税金や社会保険料が増えてしまうという悩みがありますが、iDeCoを活用すれば納税額を大きく減らすことができるでしょう。
会社員にとっても、毎年の所得税や住民税を積立額に応じて軽減してくれるiDeCoという制度はおすすめです。意外なようですが、公務員にとってもiDeCoのメリットは大きくなっているのです。老後資金において恵まれた環境にあると思われていた公務員も、民間との格差が生じないように、最近は「退職金水準の引き下げ」が行われています。公務員であっても、老後資金について安心できるとは言えない時代が訪れています。
iDeCoのメリットは?
老後資金を確保できることのほか、iDeCoを導入することによる最大のメリットは税金の控除にあります。具体的には、どのような税金が控除されるのでしょうか。
・掛金分の税金はすべて控除
iDeCoでは毎月一定額の掛け金を積み立てた1年分の金額のすべてが、その年の所得控除の対象になります。毎月1万円を積み立てた場合、年間で12万円が確定申告の際に申請して所得から控除できるのです。
・運用で得た利益もすべて非課税
iDeCoの運用期間中は、定期預金の利息や値上がりした投資信託の売却益などで、元金以上に資産が増えることがあります。そんなとき、通常の運用でかかる20.315%の所得税が非課税になり、すべての利益を受け取ることができます。
・受け取り時も規定枠内の税金が控除
確定拠出年金の給付金は、年金や一時金として受け取ることができます。その際にかかる税金の控除が受けられます。30年間積み立てて一時金を受け取った場合では、1500万円までが非課税に。また、65歳から年金として受け取った場合で、年間120万円までが税金がかかりません。