1000 Cranes for Japan


金の「そもそも」

「金」・ゴールド。その価値は昔から普遍で、素材・資源として非常に価値があり、またアクセサリーなどの装飾品としても非常に高価なもの、そして、古代の時代よりその光沢が放つ光が美しいと賞賛され、それを多く所有する人の価値までもあげてきました。

現代は、貴金属としてはもちろんのこと、金の市場価値を資産運用に活かしたり、金そのものをゴールドバー、インゴット等として購入し、現金の代わりに資産として運用する方法等があります。また電子製品に組み込まれているCPU(電子回路)等にも少量の金が使われ世に出回っている電子製品をかき集めると無視できない量になると、リサイクル業者が集めた電子製品を「都市鉱山」などども言われています。そこに目を付けたリサイクル業者も最近は増えてきているようです。

GOLDの価値は非常に重要視され、微量でも無視出来ない貴重で特別なものとして崇拝するのは、昔も今も変わらないのです。


紙の価値が上がってきている?〜素材の意味〜

一方で、近年特に価値が上がってきているのではないかと思っている資源があります。それが、「紙」です。 現代は「ディスプレイ社会」と呼んでもいいほど紙媒体が少なくなり、スマートホンやタブレット端末で資料をみたり仕事をする機会が非常に多くなりました。 「ペーパーレス化」と言われるほど 紙を使用する機会が減り、昔に比べて印刷物を目にする機会が少なくなったかと思います。多くは環境重視志向、効率化、未来化等に伴って、WEBを通したPDFなどの資料に取って代わられています。先進企業ほどが多くを印刷せずに、すぐにデータ変換できて効率のよい「データ資料」に転換してきています。

そういった傾向から、印刷物の価値が高まってきています。印刷物、つまり「紙」は元々「木」から出来ています。この製造過程もかなり大変なもので、現代となってはもちろん大規模工場で作っているのですが、木を伐採して環境を犠牲にして作っているだけあって、やはり紙は「無駄にできないもの」という認識が根底にはあるのです。 「木」という重要な環境資源を伐採して作っている紙はなるべく少ない方がいいという認識は、未来に向けてどんどんと「紙」の量を少なくさせるでしょう。同時に紙自体の存在価値が高まり、「安いものではない」、紙は「高級」であって、1枚1枚が非常に価値のあるものとなってきているのではないでしょうか。

著者は名刺をデザインする仕事も3年以上続けていますが、どんどん高品質でレア、つまり貴重な紙が増え、種類も増えてきている様に感じます。以前は名刺やショップカードなどの広告紙媒体も、薄いぺらぺらとしたものを大量配布し、名刺は安さ最重視でとにかくたくさん印刷したいというお客様の傾向が強かったのですが、最近は、1枚1枚に非常にこだわって、安いぺらぺらとした紙ではなく、ブランディングデザインをほどこした厚手でしっかりした少し高級な用紙で「貴重配布」をしたいというお客様のニーズが高まりつつあるのです。面積が広く高級な用紙を使用しない事が多いポスターや、チラシやフライヤー、会社概要パンフレットなどの広告は非常に枚数が減ってきている一方で、名刺サイズの広告は、人に配りやすい、もらってもらいやすい、持っていても負担になりにくい、低コストであるなどのメリットから非常に増え、レアで高級な用紙を使う傾向が高まっています。

また、用紙の種類が増えてきており、1つ1つが高級という点も、紙の価値が高まる所以です。高級な和紙や手作りの「すき紙」の良さが見直されてきているようです。


金(ゴールド)相場の今後

では、金の価値が下がるか?ですが、決して下がるわけではないと思います。紙の価値があがったからといってGOLDの価値が下がるわけではありません。金相場は明治初期、1g1円以下の「67銭」という価格でしたが、その後値段が上がり続け、2012年現在では4321円という高値を付けています。今後も下がる要因などが見当たらなく、世界にとって貴重資源であることは否めないため、金が大量に掘り当てられる等の理由がない限り、おそらく金の価格はあがっていくことでしょう。


「紙」の今後

今後もますます紙の様な連絡媒体、つまり「コミュニケーションメディア」は現代のディスプレイメディアと対比して減り続けていくものと思われます。なぜなら「修正・訂正」にしても非常に原始的であり、量産するには「コピー=複製」を物理的に生み出さないといけないという点と、そもそも紙自身にコストが多少なりともかかっていく点、また、紙が地球環境保護に非常に重要な「木」を伐採して作られているという点で、あまりにも原始的であるからです。

一方で、未来に向けて「紙」が非常に価値のあるもので、様々な紙の種類が「貴重品」として保管されていく可能性があることも否めません。それくらい紙の価値が高いもので、戦後の大量生産時代と違って逆に貴重品化されつつあることを念頭において普段の仕事や生活をされるとよいかと思います。特に紙は「ブランディングブーム」も相まって高級化しつつあるようで、私も仕事柄、様々な種類の紙をサンプルとして保有していますが、本当に貴重品だと感じています。色々な業界にとっての「紙の価値」もそういった方向で動いていくものと思われます。

投資の「先物取引」では、品目として、金、銀、白金、原油、ゴム等、そして食物でトウモロコシ、大豆、小豆、粗糖などがありますが、もしかしたらこの中に「紙」が加わる時も来るのかもしれません。


環境を見据えた素材の価値追求

紙は厳密には金ほど生産が難しくはないので、紙の価値は金の価値に近づく様な価格高騰しないと思いますが、上記記事でご理解頂けました様に、森林保護の重要性から、紙が重要な資源で貴重な媒体になってきていることは否めません。

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【参考】
印刷業者の倒産件数、過去10年で2番目を記録 -日本印刷新聞
2012 年度上半期の印刷業倒産、3 年ぶり増加 ~ 「売上不振」による倒産が 9 割超 ~ - 帝国データバンク
紙・印刷関連廃業・倒産情報(2012.11) -華陽紙業株式会社
年次価格推移 明治初期~金輸入自由化前(昭和48年3月) -田中貴金属工業
チップ君の工場見学 -日本製紙グループ

photo:1000 Cranes for Japan / WxMom