インド,決済
(写真=PIXTA)

4月11日にサービスが始まった「Unified Payments Interface (UPI)」は、インドの決済会社、National Payments Corporation of India(NPCI)が開発した新たな次世代オンライン決済システムだ。

Paypalなどに代表される、メールアドレスや携帯番号を利用した決済代行サービスは決して目新しいものではないが、UPIは独自の認証コードの発行や電話による本人確認で、一般消費者から商業者まで気軽で安全に取引できるサービスを目指している。

進化を続ける決済システムの誕生

通常送金にはメールアドレスや携帯番号を取引IDとして利用し、ネットショッピングなどの決済には認証コードが発行される。銀行やカード情報はもちろん、氏名を含む個人情報を一切受領側に漏らすことなく送金することができ、ネット決済の際には電話で本人確認を行うことで安全性の向上を図っている。

また取引IDのみで受領側から送金側に宛てて直接請求書を発行することも可能。一般の銀行間送金で採用されている即時送金サービス(IMPS)を基盤にしているため、24時間365日稼働という点も魅力だ。

サービスを開発したNPCIはインドのリテール決済システムを総括する目的で、2008年にインド準備銀行(RBI)とインド銀行組合(IBA)によって共同設立された。APホタCEOはUPIを「現在RBIが提供しているサービスの低コスト、デジタル版」と評しており、既に29社の銀行が採用を決定しているという。

インドのスタートアップAadhaarの生体認証システムなどを始め様々な外部のテクノロジーを取り入れることで、UPIをより安全でより便利な究極の決済サービスへと成長させることが今後の課題だ。

「送金、決済に付き物だった不透明性をなくし、プライバシーを保護する一方で消費者に快適な生活を提供する」といった観点から、従来のネット決済の枠組みをはるかに大きく超えた新たな「決済革命」となると期待されている。( FinTech online編集部

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