金融とITを組み合わせた新たな産業トレンドであるFinTech(フィンテック)。米国や英国などを中心に海外勢が目立つが、日本の企業でも動きが活発になっている。ここでは2016年5月現在、フィンテック分野で注目される企業64社を紹介する(随時更新予定)。
金融業界の新しいトレンド「FinTech」関連銘柄
◆海外からも認められる存在 野村総合研究所 <4307>
世界の金融ITサービス企業ランキングである「FinTech100」において、2009年から3年連続でランクイン。2012年度には世界第9位に選ばれた実績をもつ同社を、ここで見落とす訳にはいかない。同社による金融ITソリューショが、実質的には業界の標準となっていることからも、スタンダードなFinTech関連銘柄であると言える。
◆電通グループ 電通国際情報サービス ISID <4812>
親会社の電通 <4324> 向けの社内システム構築が安定収益源となっている同社は、製造業向けの設計開発支援や金融向けに強みを持つ。2012年には「金融イノベーションビジネスカンファレンス」を国内で初めて開催するなど、FinTech分野に早くから着目。2015年9月には住宅ローン借り換えアプリを提供しているMFSに出資した。
◆シンプレクス
証券会社など金融機関向けディーリングシステムなどの受託開発を行っている同社は、1997年にシンプレクス・リスク・マネジメントとして設立された。創業者の金子英樹氏はアーサーアンダーセン(現アクセンチュア)、ソロモン・ブラザーズ・アジア証券(現シティグループ証券)などを経て独立、同社を創業。上場して東証1部指定替えまでした後、上場廃止している(MBO)。
世界の金融ITサービス企業ランキング「2015 FinTech Rankings Top 100」にNRIとともにランクイン。昨今誕生したFinTech企業に比して、この業界では歴史のある同社。金融工学、IT、金融業務それぞれの専門家が集まっており、金融機関というプロ向けのサービス、システム開発で業界をけん引する存在と認められている。
◆NTTグループの存在感 NTTデータ <9613>
NTTデータは2015年7月24日に、同社が「ITを駆使した新たな金融サービスを提供するFinTechの支援サービスを金融機関向けに始めた」と正式発表しており、まさに本命企業だ。
同社の「デジタル・コーポレート・アクセラレート・プログラム」を活用しているみずほ銀行との提携によって、これからFinTech分野でのサービス構築を行っていくという点でも、日本国内におけるけん引役としての活躍が期待される。
◆ポイントサイト「モッピー」運営 セレス <3696>
同社が展開する「モッピー」は、累計500万人が利用している国内最大級のポイントサイトで、スマートフォンやPCなどに対応している。モバイルコンテンツへの登録や、無料ゲーム、ネットショッピング、メールなどで配信される広告の閲覧でポイントを貯めることが出来、貯めたポイントは「1ポイント=1円」で現金や各種電子マネー、ゲームなどのデジタルコンテンツに交換することが出来る。
◆ネット広告代理業中心にマーケティングサービス展開 オプトHD <2389>
同社グループは、業界No.1であるインターネット広告代理事業を中心としたeマーケティングサービスを提供。メディアや広告商品の特性やノウハウを活かし、顧客のeマーケティング支援を行っている。ネットの閲覧データはもちろん、サイト内や店舗のリアルデータなど、様々なユーザー行動データを計測・分析することにより、クライアントの課題を解決出来る最適な施策を導き出すという。
◆ウイルス対策シェア上位 ソースネクスト <4344>
上述のようにマネーフォワードに出資している同社は、PC用の低価格パッケージソフトを中心に急成長。ウイルス対策はシェア上位となっている。Windows用の加速ユーティリティソフト「驚速」、タイピング習得ソフト「特打」、更新料0円のセキュリティソフト「ZERO」シリーズ、ハガキ作成ソフト「筆王」など、ヒット商品も多い。2010年からはスマートフォン用アプリの提供も開始した。
◆ビッグデータで車社会を変える スマートドライブ
ビッグデータによって車社会を変革するとのコンセプトのもとに、2013年に設立された。
自動車に搭載された世界標準規格の自動車整備用ポートであるOBD-Ⅱから運転情報をリアルタイムに取得し、自動車関連のサービス事業者に低コストかつ柔軟・スピーディーな事業展開のできるプラットフォームを提供することを目指している。
同社は車の健康診断サービス「DriveOn」を通じてアクサ損害保険と業務提携し、ドライバーの運転特性に応じて保険料が割引される「テレマティクス保険」の開発にも着手している。